震えたの段かいなぁ。

十二月大歌舞伎座へ、6日に昼夜通しで行って参りました。
(京にんじんさんの予言通り、7日にはさっそく幕見しました)

舞い上がり放題の初回よりも、少しだけ落ち着いて観ることができました。
「幻武蔵」は、照明が青白くなったり緑色になったりして、
浮かび出てくる亡霊たちの心情までをもあぶり出すような、光と影が美しくて。
幻想的な世界に誘われながらも、亡霊たちの言い分を聞いていると、
とても人間くさくて生々しくて、情念が火を吹いて、渦を巻いて、
ドロドロと襲い掛かってくるようで。ううぅー、人間の感情が一番怖いよぉお。

武蔵が、「ただひたすらに己を恃み(たのみ)、己を究めるのだ」と言った時、
ドロドロしていた気持ちが消えて、スーッと心が晴れていくように感じました。
いい言葉ですね。その時、頭に浮かんだのは、美空ひばりさんが
座右の銘にしていらした「今日の己に、明日は勝つ」という言葉でした。
若い頃にその言葉を知って、いい言葉だな、と思って、
自分もマネして座右の銘にしていたのです。恐れ多くも。
(今の座右の銘は「これでいいのだ」です。(笑))
家に帰って調べてみたら、宮本武蔵の「五輪書」の水之巻に
「今日は昨日の我に勝ち、あすは下手に勝ち、
後は上手に勝つと思い」という言葉が記されているのを知りました。
美空ひばりさんは武蔵が好きだったのかな。
歌の道を、この言葉を胸に究められたのですね。

最後に武蔵が、「すべてが見渡せる、己の道が見えた」と言うのですが
これもまた、いい言葉だなと思いました。前半のドロドロが愛しく思えてきて、
人間を俯瞰で見られるというか、目の前がパーッと広がって、
何だか胸がすく感じがしました。

「二人椀久」では、
松山太夫が登場してすぐに後ろ向きで打ち掛けを見せながら
椀久さんの方をふぅ~と、振り返る、その時の立ち姿を、
一階で拝見した時から、ゾクッとしたの段かいなー、だったのですが
幕見で上から観てみたら、これまた凄くて
打ち掛けの角度といい、身体のラインといい、首の向きといい、
完璧!パーフェクト!黒帯(金帯)十段!完全降伏(幸福)!でした。
全世界の人たちに見て欲しいと思いました。
「日本の宝!やまとやっ!」心の中で大向こうをかけました。

そして、夜の部の「鳴神」では、
雲の絶間姫が鳴神上人を手玉にとって翻弄していく様子が、
心底、愉快で、色っぽくて、可愛くて、一瞬の隙も見せなくて、
たまげた姫だな、と完全にやられました。
玉三郎さんの真骨頂ですね。玉三郎さんにあてて書かれた
戯曲のような気さえしました。
上人だって、落されても文句はあるまい(怒ってたけど)
しめ縄を断ち切る場面では、打って変わって
凛とした、男前の姫になり、こっちが本当の姿なんだ、と。
崖の上で、しめ縄に手を伸ばすところでは、
落っこちるんじゃなかろうかと本気でヒヤヒヤしました。
でも、幕見で上から見たら、かなりスペースがあったので
ホッとひと安心いたしました。(余計な心配)
そうそう、幕見席からは、「二人椀久」のお月様と
「鳴神」のしめ縄は、見えないんです。上の方にありますんで。

歌舞伎って、おもしろいなあ、よくできているなあ、
とあらためて深く、感動。拝見できて、良かった!!!
28年ぶりに演じてくださった玉三郎さんに、
またまた大感謝なのであります。

今度は、13日に行ってきます。
もう~どうにも止まらない~
師走は、リンダ走っちゃう~


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なぶり殺し〜

桔梗さん、私も昨日幕見してきました。
なぶり殺しても足りない恨み。
あの目の迫力ったらないですね。
恨みのかたまりの豪速球。お〜こわ!
幻武蔵、おもしろい!そして奥深い。心の霧が晴れていくようです。
何度でも観たい。玉三郎さんの演出、淀君に感謝です。

二人椀久は、桔梗さんのおっしゃるとおり、幕見からの眺めは凄かった。足の運び、振り返りの完璧な傾げ。息が止まるほど美しかったですよね。よっ!日本一!いや、宇宙一!
こんなに良い気持ちを味わったら、いまにバチがあたるのではないかとさえ思いました。

3日のぎっくり腰のリベンジはきっちり果たしましたぞ。
また何度も通ってしまいそうです。
仕事中、ちょっとぼんやりしてしまっても、
今月は、これでいいのだ〜。
スッポンに黒にんにく、いろいろ蓄えて、いざ、歌舞伎座!

ど迫力

フクギさん

あんな風に詰め寄られたら
どうなっちゃうのかな。
泣くよりもフリーズしちゃいそう。
再起動、不可。
人間の怖さも、愚かさも、そして愛おしさも。
たった45分の間に、
いろんな風景を見せていただけるのですよね。
シンプルにして、究められた世界。

「二人椀久」の幕見見物は、絶対におすすめですよね。
ハッとしっぱなしでした。目が離せない。
外国人の小学生の姉弟がお母さまとお隣で見ていたんですよ。
「今日来て、本当に良かったね!凄いもの、見られたね」って、
思いながら、私までハッピーになりました。
バチは当たらないから大丈夫です。

ぎっくり腰が良くなられて、本当に良かったです。
もう通うっきゃないです。

「これでいいのだ~」って思うためには
「今日の己に明日は勝たないと」いかんのですがね。
なーんてね。あはは。

つうか、「これっきゃないのだー」


何度でも何度でも

何度も見たくなる舞台ですね。

まだ三階からしか見ていないのですが、前の方なので、「二人椀久」のお月様も、「鳴神」のしめ縄もいちおう見えます。
ただ、お月様は半分は松の枝にかくれているし、しめ縄が切られて龍が何頭も登っていく、その行き先を見届けられません。そのかわりというか、しめ縄の下でスタンバイしている龍の頭は見えます。

下旬は、一等席と二階の二等席、三階席からと、あちこちでそれぞれの見納めです。
「幻武蔵」は、床に落ちる照明、役者さんたちの粛々とした歩みとフォーメーションが俯瞰できる二階席、三階席もよいのではないかと思います。

そんなのはどうでもいい、花道横から松山太夫、雲の絶間姫を見上げたい、という気もありますが、これはかないませんでした。

美意識

京にんじんさん

ブートで、玉三郎さんが
「美意識という言葉はここ数年は高級な感じの
耽美的なイメージで語られているけれども
綺麗なもの、何度も何度も観たくなるもののことだと
思います」とおっしゃっていて、
まさに、何度も何度も観たいってことだな、と思いました。

そういうわけで、今日も幕見してきましたよ。うひひ。
「二人椀久」に行ったのですが、13時20分位に着いて、立ち見でした。
けど、ちゃんと見れました。満足。
何度も観ても、何度観ても、また観たくなる舞台ですね。

4日は、花道すぐ横から、松山太夫を見上げました。
息を飲む、生唾をゴクリ、という体験を初めてしました。
あー、これって、身体が勝手に反応してそうなるんだ、
ということがわかりました。意識して、やるわけじゃないのですね。
松山太夫が、スッポンから急に下がっていくので
思わず「あっ」と声が出てしまって。
これも、声が勝手に出てしまったんです。
なんか、自分をコントロールできなくなっている感じ。
身体って、正直ですね。

やられました!

「鳴神」観てきました。
私もやられちゃいました。
絶間姫さまの、可愛いさ、色っぽさ、愉快さに心を奪われてきました。
最後にしめ縄を切る時の凛とした絶間姫さまも最高でした。
かなりの時間、花道に玉さまがいらっしゃいましたが、その間うっとりと美しい玉さまばかり見上げていました。幸せでした!
舞台ではお芝居が進行中で、顔が90度左を向いているのは他の役者さんに失礼かと、時々我に返って正面を向くのですがまたすぐに花道に顔が向いちゃって。
玉さまも磁石なのかしら。
あっそういえば、お隣のお嬢さんも、ずっと90度左向きでいらっしゃいました。
お仲間がいて心強かったです。
昨晩は、とても幸せなひとときでした。

やられましたか。

文月さん

幸せなひととき、感動が伝わってきます。

そうそう、花道で絶間姫様がしばらくおいでなので
ああ、観たいな、じ――ッ。でも、正面も。
でも、観たいな、じーッ。を繰り返しちゃいます。
すぐそこにおいでで、観ない理由がない、ですよね。

今日は、お昼の部かな。
同じ空間で、同じ時に、溜め息をついて
フニャフニャになりましょう。

昼の部

私も、今日昼の部に行ってきます。
桔梗さん、京にんじんはじめ、お座敷の皆様のレポートを何回も読み、『二人椀久』を繰返し聞き、桔梗さんの起こして下さった歌詞を覚えるほど読み、いざ本番です。
しかし、朝から舞い上がって、雲の上を歩いているみたい。
大丈夫かしらと、我ながら心配です。
歌舞伎座の階段でスッ転んでいるおばさんがいたら、それは文月です。

ごめんなさい

京にんじんさん、すみませんでした。
あせって投稿してしまい、先程のコメントで、京にんじんさんの『さん』が消え、呼び捨て状態にしてしまいました。
玉さまにボーッとして、失敗ばかりです。
京にんじんさんのコメントをいつも楽しみにしております。
これからも、いろいろ教えて下さいませ。
よろしくお願いいたします。

素晴らしかったですね。

文月さん

昨日の玉三郎さん、最高でした!
幸せな時間を過ごさせていただきました。
文月さんも、むせび泣いていらしたことでしょう。

観るたびに、いろんな発見があります。
昨日は、イヤホンガイドを借りたので
謎が解ける部分も多く為になりました。

すっころんでいる方はいらっしゃらなかったので
ご無事でしたね。よかった。
プロフィール

桔梗

Author:桔梗
坂東玉三郎さんの 芝居に舞踊に歌唱に舞台演出に 映画監督に朗読に執筆に 歩く姿も潜る姿も後ろ姿も素ッピンも☆☆ すべてに魂を揺さぶられ〜~ 玉さんブラヴォ----ッッッっ!なエブリデイ!

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