「チョンパ」

歌舞伎の照明プランナーとして第一線でご活躍されている
池田智哉さんのインタビュー記事が、日本演劇興行協会の会報誌に
掲載されていました。

玉三郎さんについてのお話のところを中心に、抜粋させていただきます。



Q.役者さんとのやり取りも多いと思いますが、どのようなお話をされるのでしょう。

池田さん:最近ですと、坂東玉三郎さんのお仕事をたくさんやらせていただいて
     いるのですが、玉三郎さんは照明だけではなく、音、衣裳、美術、
     道具とすべてに厳しい方です。
     そういう方と明かりを作るというのはとても勉強になります。
     お話する際、どうやろうかと考える間を作ってはダメです。
     ご提案いただいたら「わかりました、ではこういうパターンで
     やってみましょう」と、具体案がすぐに出るようでないと。
     稽古前の明かり合わせで迷いがある場合は、二、三パターン
     作っておくんです。そうすれば、AがダメならB、BがダメならC
     という風にすぐに次を提案できますよね。三つも用意しておけば
     どれか希望に近い明かりは出てきますから、一番気に入られた明かりから
     微調整していけばいい。ご本人を前にこれから照明を作ってみますでは、
     作業が遅くなってしまうんです。何しろ歌舞伎の稽古は短いですから。
     それから照明は道具方との打ち合わせはもちろんですが、たとえば踊りだと、
     振付のお師匠さんとの打ち合わせも大切です。どのように動くのか、   
     振付にどのような狙いがあるのかを理解しないと、役者さんを美しく
     みせられませんからね。

Q.歌舞伎では同じ演目が何度も演じられますが、やはり回数を経ることで覚えていくことは
 あるのでしょうか。

池田さん:歌舞伎役者さんは同じ演目を、たとえば「藤娘」を何回も踊ってそれをようやく
     自分の芸にする。歌舞伎照明も、何回も繰り返すことで自分のものにしていくという
     のは同じじゃないかと思います。やはり、きっかけやタイミングを覚えはじめると
     面白くなってくるんです。いわゆる“間の取り方”ですね。舞台一面真っ暗な
     ところから次の瞬間にパッと明かりがつくことを歌舞伎では“チョンパ”と言います。
     ツケ打ちさんの「チョン」という音が鳴ったときに「パッ」と明るくしては
     タイミングとしてよくないんです。“チョンパ”の間には、「ウン」とひと呼吸置いて
     「パッ」とつく。そうすると、地方さんの呼吸とも合ってくるわけです。
     三味線の間の取り方に「ウン」「ヨッ」っていうのがありますが、
     それと同じですね。



「天守物語」に「海神別荘」、「ふるあめりかに袖はぬらさじ」など、
玉三郎さんの数々の作品も、池田さんが担当されています。
今でもそのお芝居の陰影が浮かんでくる心に残る照明ばかりです。

玉三郎さんの作品を観る時、一度は、上から(二階や三階から)舞台を観たい、
と思うようになりました。その大きな理由は、舞台を照らす明かりを
俯瞰で観たいから。作品にこめられた思いや、その場面ごとの空気が
微妙な明かりで表現されているのを感じるからです。
「日本橋」でも、「アマテラス」でも、それを感じました。

照明、音、衣裳、美術、道具、そのすべてに厳しい玉三郎さんと
ご一緒に仕事をされる池田さんの喜び。
この人のために自分も最大限をつくそう、と思える人と
一緒に仕事をするって、厳しいけれど最高に楽しいことですよね。
玉三郎さんとご一緒に仕事をされることで、池田さんご自身も、
ご自分の照明を究めていらしたのですね。

藤娘の「チョンパ」が、また観たくなりました

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エヘン!

桔梗さん

チョンパは南座の「春の舞台機構体験」に参加したときに、舞台の上から体験してきました。本当に真っ暗になって、気づかないうちに幕がするすると上がり、文字通り、チョンの合図でパッと明るくなりました。

昨年の玉さまの展覧会でこっそり行われた南座の舞台体験ですが、好評だった模様で、今年は春に大々的に開催されました。11月にも行われるようです。

そうそう、昨日のコメントで書き忘れましたが、今月は玉さまは見にいけませんが、ワタシには仁左さまがいらっしゃいました。今日も昼夜通しで見てきましたが、キュンv-347と乙女になれる仁左さまでした。

いいなぁ~

おとらさん

南座の「舞台機構体験」、
名前は硬いけど、面白そう。
こりゃ行かなあきませんな。
11月に行けたらいいな。

チョンパを舞台上で、しかも南座の舞台で
体験されたなんて、
エヘン!どころの騒ぎじゃないですよ。
役者さん(玉さん)気分ですね。
でも急に明るくなると目がおかしくならないですかね。
クラッときたりしないのでしょうか。
ずっと目をつぶっているのでしょうか。

でもあの視覚効果(照明効果)は
素晴らしい発明ですよね。
六代目菊五郎さんでしたかね。
うわぁ~って歓声があがって、みんなが身を乗り出す瞬間。
そこには笠をかぶった美しい藤娘。

今年の3月に磐田で拝見した玉さんの藤娘は
ソーキュートで、今もはっきりと浮かびます。

追伸

おとらさん

>ワタシには仁左さまがいらっしゃいました。

と書いてくださっていたのに
ニザさんについて、スルーしちゃってすみません。

昼夜通しでいらしたのですか。
今はどちらにご出演なんでしょうか。
キュンと乙女になれるニザさん、なんですねe-266
この暑さもどこへやら、ですかね。そうでもない?

ニザさんもいいけど玉さんもねe-266

あ、南座でアマテラスをご覧になるんでしたよね。失礼しました。

省エネに協力

桔梗さん

お気遣い有難うございます。仁左さまは昼夜ともにご出演で、昼は舞踊、夜は「一條大蔵譚」でバカ(実は賢い)殿さまを演じていらっしゃいます。朝11時から夜の9時まで松竹座にこもっておりました。

以前、どなたか役者さんがおっしゃっていましたが、「ひとつところに集まって、みんなで涼むってことはかなりの省エネになるそうなので、ぜひ劇場にいらしてください」って・・・。劇場へ通うことは“省エネに協力”していることなので、桔梗さんも大手を振って赤坂にもお通いくださいませ。

通わなくっちゃ

おとらさん

昼は舞踊なんですね。
私は、死ぬまでに、玉さんとニザさんの
「二人椀久」が観たいのです。
でも、なかなか実現しないですね。
いつの日か、ああ、いつの日か。熱望です。

朝11時から夜9時までですか!素晴らしい省エネ効果!
観るときゃ、観る!しかも涼んで。

劇場通いは省エネ効果説、いいですね。
確かに、ひとつところでみんなで涼めばコスパかな。
しかも感動しながら楽しみながら笑いながら泣きながら。
大手を振って、赤坂で省エネしてきますね。
プロフィール

桔梗

Author:桔梗
坂東玉三郎さんの 芝居に舞踊に歌唱に舞台演出に 映画監督に朗読に執筆に 歩く姿も潜る姿も後ろ姿も素ッピンも☆☆ すべてに魂を揺さぶられ〜~ 玉さんブラヴォ----ッッッっ!なエブリデイ!

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