祝!3日目@「新作組踊と琉球舞踊」

国立劇場で3日間にわたり上演された
「新作組踊と琉球舞踊」の東京の千穐楽に行ってきました。

初日に拝見した時には、初めての体験ばかりで
とにかく目で、耳で、心で感じるのに精いっぱいで
それがどういう意味を持っているものなのか、とか
歴史的な背景がどうなのか、とか、まったく理解せずに
ただひたすら感じていました。

だからって、千穐楽も、まったく変わらないのですが(笑)

琉球舞踊の無の表情がとても印象的でした。
顔に表情が無い分、しぐさのひとつひとつや身体全体が言葉のように
感じられて、ゆったりと大きなメッセージが語られているようでした。

心がシーンと静まる時間が流れて、気持ちが落ち着きました。
古典舞踊というのは、やはり奥が深くて、情緒があって
ひとつひとつの手の動きからも伝わってきました。
手首、手のひら、指の動きがとても柔らかくて気品があって、
すべてにメッセージがあるのでしょうね。それがわからなくても
波のように心に伝わってくるものがありました。
素晴らしい芸術ですねえ。しみじみ。

私は女踊に特に夢中になってしまいました。
洗練されていて研ぎ澄まされた「四つ竹」のあの竹片の楽器は
二枚の竹がバラバラなのですよね。鳴らすのが難しいでしょうに
みなさんの音がカチッカチッと合っていて寸分の狂いもないところが
スゴイなあ、と。どういう風にお稽古をすればああなるのでしょうか。
息が合うだけでは無理ですよね。音色も低くていいんですよね。

「本貫花(むとぅぬちばな)」は、手作りの花(貫花)を愛する人に贈りましょう、
という物語のある踊りなのですが、まろやかでふんわりと優しい恋心が感じられて
なんてロマンに溢れた踊りなのでしょう、とうっとりしちゃいました。
アンクレットの指版のような、ユラユラ揺れるシルバーの飾りがとても美しくて。

何回も見たくなる踊り。自分でも踊ってみたくなりました(無理ですからー)

「柳」は、籠の中に柳の枝やお花がいろいろ入っていて
踊りの途中で、その籠を置いて、自分で中から南京玉簾のような
枝を取りだすのですが、歌舞伎なら後見さんが来てサッと渡すところを
自分ひとりで時間をかけて取りだすその間合いがゆっくりしていて新鮮でした。
すべてに急いでないというか、人間時間で動いている感じでホッとしました。

男性の踊りも勇ましくて、腰が据わっていて太極拳の動きを連想しました。
額に汗が光っていて、あんなに優雅に見えるのに、きっと呼吸や足腰など
身体には大層、負荷がかかっているのでしょうねえ。

「聞得大君誕生(ちふぃじんたんじょう)」の玉三郎さんの音智殿茂金は
気高くて、美しくて、透明感がすごくて、キラキラしてました。
琉球の王女様に逢えた!と。もう、凄いな凄いな、と、心の中でつぶやいていました。
衣裳の色合いがザ・沖縄!で美しく、景色や空気、自然を感じました。

恋人同志の連れ舞いが素晴らしくて、もっとず~っと見ていたかったです。
二人の動きがぴったり呼応しているのですが男性の動きに沿って
音智殿茂金がそっと後を追うように寄り添って踊っているところに女心が感じられて
王女ではなく一人の女性の幸せオーラ全開でした

玉三郎さんは沖縄語の歌うような台詞で、女心をとても繊細に表現されていました。
ハッとした台詞がいくつもありました。

「私は王女で女だから、あなたのお情を胸にたたみましょう」
「二人の行く先に幸せあれ」
「最後の言葉は言わないで!逃げ口上は聞きたくありません」

それにしても蘇州語に次いで沖縄語も!恐ろしい方です。
字幕にあった訳の言葉の選び方もいいなあと思いました。

恋においては悲劇であり、音智殿茂金の哀しい表情が忘れられませんが、
でも女の強さがビシッと芯にあって、そこが清々しくて、
たとえどんな時代でもどんな立場にあっても
生きるってこういうことなのですね、と私の目には涙の膜が。

熱い熱い拍手と共に、カーテンコールが2回ありました。
ご出演のみなさんが総出でご挨拶してくださいました。
玉三郎さんがみなさんと同じようにご挨拶されて
控えていらっしゃるように映りました。
地方さんたち全員が見えるように皆さんが両サイドに寄られて
そういう所作のひとつひとつにこの舞台を創ってこられた
みなさんのお気持ちが伝わってきて最後にまたまたジーンと感動いたしました。

きっと玉三郎さんがご出演でなくては一生見なかったかもしれない
沖縄の伝統芸能を心で感じることができて、とっても幸せな時間でした。
玉三郎さん、沖縄のみなさん、どうもありがとうございました。

15日からの沖縄国立劇場での公演も観に行きたいなー(チケット完売ですからー)

平河天満宮の紅梅白梅がきれいです。お参りしてから国立劇場へ。
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組踊と琉球舞踊感想

わたしも行ってきました、国立劇場第16回琉球芸能公演。
すっきりとすてきな舞台でした。
初日よりも2日目、2日目よりも3日目と、動きと音が目に耳になじんできて、とてもいい気分でした。

パンフレット掲載の出演者座談会で、「違うジャンルの舞台芸術へ挑戦する原動力は何ですか」と問われた玉三郎さん、「興味だけです(笑)。洗練されているか、品が良いか、美しいか。これが基準・・・」。そして、「組踊の世界で、如何に皆さんと一緒に浮遊できるか、漂えるか。今は幕が美しくなめらかに上がることだけを考えています。一緒にがんばりましょう。」とおっしゃる玉三郎さんに、「一同(深くうなずく)」。
まさにこのとおりの舞台でした。もっと「漂って」いたかったです。
(沖縄までは、まいりませんが)

パンフレットは2種類購入。国立劇場編集の公演プログラムと、国立劇場おきなわステージガイド 「華風(hana-fu)」3月号。

内容はほとんど同じですが、「華風」には、衣裳がカラーで紹介、けいこ風景の写真もあって、初心者、玉三郎ファンとしてはうれしいです。

国立劇場の公演プログラムには、玉三郎さんが組踊に取り組むきっかけをつくった大笹吉雄氏の文章が載っています。京都賞がすべてのはじまりでした。それときまで「組踊」なるものを知らなかった私は、その後、京都造形大学の春秋座で公演があったので、行ってみました。そして、じつは不安に思っていたことがひとつありました。動きの中に、両足を前に投げ出してお尻からドスンと落ちる振りがあるので、えー、体に悪そう、と思っていました。今回の舞踊にも組踊にも、この動きはなくて、ほっとした次第です。

「四つ竹」の玉三郎さん、竹を持った腕をこころもち横に張った具合のきれいなこと、「組踊」の白地の衣装の音智がひとりでしばらく舞うときの、しなやかな指先、頭をわずかにかしげる形のよさ、琉球舞踊の伝統とはちがうのかどうかわかりませんが、きれいなものはきれいです。

恋人との連れ舞もよかったです。そのときの赤紫の衣裳(桃色地とあり)もとてもきれいでした。最後の大きな扇、「神扇」というらしいですが、大きかった! 50cmくらいありそうな大きさで、たたむとき、うまくたためるかしらんと見つめてしまいますが、そこは小道具扱いも日本一の玉三郎さんのこと、三度とも、きちんと納まりました。
うっとりしながらも、しょーもないことに気をもむ京にんじんなのでした。

京都造形芸術大学

訂正です。「京都造形大学」ではなくて、「京都造形芸術大学」。失礼いたしました。

ありがとうございます!

京にんじんさん

とても見応えのある、
忘れられない舞台となりましたね。

さすが遠征クィーンでございますね、3連荘。

両足を前に投げ出してお尻からドスンと落ちる振りがなくって
よかったですね。痛いというか、骨折必至?
臀部に骨はないのでしょうかね。
でも、動きだけでも、かなり身体にはキツそうで
見た目の優雅さとは裏腹なんじゃないかなと思いました。

その「華風」(鼻風邪じゃない)なんですが
もう1週間くらい前に沖縄国立劇場に電話で注文したのですが
まだ到着しないんですわ。やっぱり沖縄は遠いんだなーって
注文ミスなんでしょうか。長すぎますよね。

琉球舞踊はクセになりそうです。
何とも言えないたおやかで優しくて
思いが感じられて、とても心は生まれたままなのに
踊りは洗練されているというか。
すごく愛情を感じる踊りでした。

最後のあの大きな扇も、美しくて
見せ場でしたねー。ゆっくり、扇をサラサラ~っと開く
玉三郎さん、じゃなくて、王女様の気品のある
しなやかな手の動きには参りました。完全降伏。

「ちふぃじん誕生」を2時間くらいにしたら
どうなるのかな、なんて考えてしまいました。
とてもコンパクトにまとまっていたので
淡々と進んでいって、物語はよくわかりましたが
細部のいろいろの濃いところも、もっと見てみたいなと
ずうずうしいことを考えております。

乞う、再演ですね。

玉三郎さんの3年間

歌舞伎座閉場以来、歌舞伎の舞台に立たなかったことについて、批判的な意見もあったようです。新橋演舞場に出なかったこと、国立に出なかったことなど。
でも、この舞踊を観て、玉三郎さんには必要な時間だったのだとおしゃってくださっています。それほど素晴らしい舞台だったということです。

良かったです。^^

貴重な3年間

まるこさん

この3年の間に、
ふるあめりかや、鏡花さんもの、コンサート
鼓童との共演などなど、
玉三郎さんにしかできない
舞台の数々を堪能させていただきました。

その締めくくりが組踊だったように思います。
本当に素晴らしい時間を贈っていただきました。

とにかくお元気でいてくださったら
思いのままに好きなことしていただきたいなあっと
私は思います。そこに玉三郎さんの
真の芸術が生きているのですから。なーんてね。

歌舞伎はこれからターンと
楽しませていただきやしょう~。
プロフィール

桔梗

Author:桔梗
坂東玉三郎さんの 芝居に舞踊に歌唱に舞台演出に 映画監督に朗読に執筆に 歩く姿も潜る姿も後ろ姿も素ッピンも☆☆ すべてに魂を揺さぶられ〜~ 玉さんブラヴォ----ッッッっ!なエブリデイ!

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