玉三郎さんの想い@仙台

昨日、仙台で行われた玉三郎さんのチャリティートークショーに
早朝5時から並ばれた、地元クィーンのすこっぺさんが
トークショーの様子をくわしくお知らせくださいました。

こちらにご紹介させていただきます!



昨日仙台での玉三郎さんのチャリティー対談に参加してきました。

45分間という短い時間だったのですが、玉さまの思いがずっしりとこめられた濃厚な時間でした。

この日は早朝から雪が降り路面が凍結するほどの寒い日。
さて、玉さまは和装かな?洋装かな?とドキドキしつつご本人登場。

黒いベロアのジャケットとズボン(多分去年の海老蔵公演代替会見でのと同じ)
に生成のシャツ。紺色に白い小さなドット入りのネクタイ。
お靴は紐付きの黒い革靴でした。

玉さまともうお一方、楽天オーナーの島田氏がゲストでした。

玉さまは野球は野外で一度見たことがあるだけなのですが、若い頃の
トレーナーさんが野球選手付きの人でもあったとか。
島田氏は奥様のお祖父様が新派の役者で、昔花柳章太郎先生から頂いたという
色紙を今日玉さまに差し上げたそうです。

震災以来、支援活動に奔走してきたお二人。
玉さまは来年一月にお正月公演を控えているので、十二月までに義捐金を
届け終えたかったそうですが、自分に出来ることは微力だとおっしゃっていました。

被災された方に頑張りましょうとはとても言えなかった。
出来るのは忘れたりしませんよ、という思いを伝えることだけだと。

玉さまは「仮設住宅に行くと集会所みたいな所で皆さんが待っているんですけれど、
私の方が先よ、とか誰々ちゃん前においでよとか言い合っていて、
それがとても温かみがあるんですよね。

高齢者の方とかこういうことがなければ、きっとお休みの日は一人でお家にいたんでしょう。

それがここでは皆の居る所へ出てこれる。お家をなくしたりして不幸はあったけれども
その中で人との新しいつながりが生まれたことはとても良かったと思う」

また、この日玉さまは「覚悟を決める」という言葉を何度も口にされていました。

今回防災への備えが足りなかったことが明らかになったことについて、

「水や食料など備えがあれば確かにいいのだと思う。
けれどそれよりも大事なのは覚悟を決めるということ。
いわば心の防災をすることではないでしょうか。

だって例えここから逃げられたってそこで物が倒れてくるかもしれない。
ここが危険な場所だとしても助かる人は助かるんですから。

助かっても助からなくてもどちらの方向になってもそこでの
覚悟をすることが大切ではないでしょうか。と言っても、
いざとなったらジタバタするのかも知れませんが(笑)」と。

地震のあった日、玉さまはご自宅でパソコンをしていたそうですが、
今日のレッスンを行うか問われて「(建物が)崩れるまでやります」と返信されたそうです。

全てを受け入れ、自分の置かれた場所で全身全霊を捧げる玉様らしい・・と思いました。

また、ダイバーでもある玉さま。
豊かな恵みをもたらすと同時に今回のように多くの人の命を奪った海に恐ろしさを
感じたことはあるか問われて、

「人間は自然には勝てないものだと思う。 僕はダイビングのときは素潜りをするのだけれど、
素潜りだと海の大きさが後ろから覆ってくる。命と隣り合わせなのだと感じる」
と答えられていました。

自然に絶対大丈夫なんてありえないし、人間がそれを征服しようとすることも許されない。
海を心から愛している人だからこそ身にしみてご存じなのでしょう。

この日、玉さまが一番熱をこめて話されていたように感じたのが
スローライフについてでした。

「東京にいると、信号と信号の間に5個くらい自販機があるでしょう。
そんなにいるのか?って。飲み物なんて自分で用意して歩けばいいじゃないと思うんですよ。
自販機だってアルミ缶の問題や着色料・添加物の問題があるし。
コンビニの横に自販機があることもある。何を買うんだ?って思うんですよ」

「僕は普段自分の今いる部屋以外の電気は消すようにしているんです。
たとえ5分間だけ別の部屋に行くときも必ず電気は消して、
自分の部屋の電気一つだけをつけるようにしているんです。

だから家の者が電気をつけっぱなしにしていると怒るんです。

古代の生活に戻ることは無理。 けれど原発がいらないというのなら、
いらないだけの生活を示さないといけない。こんなに電気は必要ない
ということを示していかないと」
 
この辺りのお話をされているとき言葉に熱とともに怒りや苛立ちも感じました。
そして変わらない、気にもとめない世間への諦念も。

そして、震災以降舞台を開けるのがほんとに心苦しかったとも話されていました。
ライトも使うし、お化粧落とすのにシャワーもジャージャー使うでしょ、と。

仙台でライフラインが寸断され、町が真っ暗になった時、星空の美しさと電気に
頼りすぎている自分の生活の基盤がいかに脆弱なものか痛感したのですが、
復旧したとたんそのことも綺麗に忘れてしまいました。

あんなに恐い思いをしたのに。今も被災地に住んでいるというのに。
私の暮らしは玉さまから見たら、ダメ出しだらけだと反省しました。

また、「チッタスロー」に取り組んでいきたいとも話されていました。

大企業が全てを吸収するのではなく、小さな昔からの店や職人さんたちを
大事にすることで街が綺麗になる。 日本ではなかなか難しいけれど考えていきたいと。

東北には洋服の胸元や袖口に飾りや刺繍を施す工場が多く、また 本の材料になる紙作りの
企業も多く、 震災以来それらが入ってこなくなったことで、やっとその素材がどこから
来るのか知ったことも多かったのではないかともおっしゃっていました。

楽しいお話をするために来たのに真面目なお話ばかりでごめんなさいと謝られていましたが、
ここまで神経と感性を張り巡らせて考えて下さっていることにとても感動しました。

建設中の歌舞伎座について、
「僕は反対だったんです。新しい歌舞伎座についてはよく分かりません。
設計は松竹の方でやっていて、僕は何も教えられていないものですから。
でも、後ろにビルを背負うことになるけれど、見た目と内部は前の歌舞伎座と似ていると聞いて、
ならいいかなって。

劇場のドアを開けてみて気に入らなかったら、僕はその場で帰りますって言ってるんです」
と話されていました(笑)


この日はどんなモノより価値ある心のプレゼントを玉さまから頂きました。
もう嬉しくて本当に幸せなクリスマスでした。



すこっぺさん、細やかにお知らせくださり
どうもありがとうございます。

玉三郎さんのチャリティコンサートのパンフレットに
「心を備えることが大切」と書いてあって、さすが玉三郎さんはいいこと言うな~と
思っていたのですが「心の防災」も然りですね。
腹をくくって毎日をちゃんと生きていくこと、でしょうか。

新しい歌舞伎座についてはやっぱり反対だったのですね。
古き良き建物を残そうとしない日本の(都会の)風潮。
ずっと親しまれていた歌舞伎座が壊されてしまうことは
心底、辛いことだったでしょうね。
劇場のドアを開けて、どうか気に入ってくださいますように。
本当に帰っちゃいそうですもんね(笑)

盛りだくさんの内容で、スローライフやチッタスローなど
世の中に対する玉三郎さんの真剣なメッセージが伝わってきました。

食の問題にしても職人さんたちの仕事の問題にしても
すべて合理化、効率化の大量生産の世の中になってしまったことで
逆に人間の命がどんどん脅されていることを痛感せずにはいられません。
まずは自分でできることから、ですね。

すこっぺさんのご報告を読みながら、また震災のことを思い
しっかり生活していかないと、とあらためて思いました。

本当にどうもありがとうございました!感謝いたします。

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ありがとう

すこっぺさん 風邪大丈夫でしたか? もっとも玉さまのお話聞けばどんな病も治っちゃうわよね

すっごい詳細なご報告ありがとうございます
私も心にとめて過ごしていくようにしたいと思います

歌舞伎座はあの震災を無事に乗り越えただろうか と思う事があります
歌舞伎座の建物がすっかりなくなった後に震災が来たけれど、もし上演中だったら午後の休憩の頃か、二つ目の演目の時か、満員だったらなにかの被害が出ていたのでは?
やっぱり歌舞伎座は先人たちが守っていたんだと思うのです
玉さまが新しい歌舞伎座を気にいりますように

No title

おはようございます

玉三郎さんのトークショー素晴らしいですね
朝一に寒さにまけず 一番乗りされたすこっぺさんにも頭が下がります(汗)

スローフードとチッタスローですね
後「覚悟を決める」ですね

私 大家をしてるんですけど今まで管理会社に全部まかせっきりで知らないことばかりだったのですが(これどうなの・・汗)今年夏になって空室が一杯できてしまって 古い物件だから給湯機、水道管、ガス管、テレビケーブル交換の工事が必要なことがわかりました→ものすごい高額が予想されます
どうしよう・・・っパニックってたのですが なんだか記事を呼んで「覚悟を決めよう」と思いました(ものすごい単純・・滝汗)
ありがとうございます☆

そんな状況ですが 来年のテアトル銀座玉三郎さんの公演いいお席取れましたので 体調を整えて楽しみに行きたいと思います
花道が近いと思うので ドキドキワクワク・・
すっごいブサイクな喜びの顔でみちゃいそうです・・・汗
こうして公演に行けるのも古い物件のおかげなので感謝しなくてはとも思います(もはやこれまでか・・・爆)



歌舞伎座と震災

ムジコさん

私も、震災のあと、もし歌舞伎座があったら、って
考えていました。昨日も、すこっぺさんのレポを読みながら
また、そのことを思っていたんです。

あの地震に歌舞伎座が耐えられたのかどうか。
地下鉄の音が聞えてくる床や、
あの震えるような天井を思い出しながら、
公演中や幕間の最中の大地震を想像すると
背筋が凍る気持ちになりました。

震災の一年前の閉場も、きっと運命だったのですね。
ムジコさんがおっしゃるように先人のみなさんが
守ってくださていったのかもしれません。

とにかく玉さんが気に入りますように!ですね。
気に入らなかったら、やり直しだーい。ははは。


そうこなくっちゃ

としこさん

大家さんのご苦労はとても大変ですね(汗)
でも、「覚悟を決めた」としこさん、えらい!
玉三郎さんの言葉には説得力がりますよね。

いろいろ心配しているよりも
覚悟を決めて、ルテアトル銀座へゴー!(楽しそう)

花道のそばの席がとれて楽しみ倍増ですね。
「疑着の相」をかぶりつきで見ていると
きっと、こちらも「なんちゃって疑着の相」になりそうです。

前向きになれる言葉ですね、覚悟を決める!
来年のテーマにしたいものです。

お互いに体調を整えて、かぶりつきましょう。

歌舞伎と日本の未来のために

私は前歌舞伎座には数える程度しか足を運べなかったのですが、
皆さんのコメントを拝見していて、
震災前に建物がなくなったということは、未来に歌舞伎を受け継ぐため、
役者さんや裏方さんたちを守るために何か大きな力が働いたためだったのかもしれないなあと思いました。

私達観客とは違って、歌舞伎を支える皆さんは毎日歌舞伎座の中で生きているんですものね。

そう考えると何かすごく感謝の念を感じます。

人と人とのつながり、手仕事の大切さが歌舞伎の未来をつくるんですよね。

一月のテアトルが終わったら五月まで歌舞伎の公演がないそうなので、それまでゆっくりスローライフについて考えたい、去年・今年の初めは歌舞伎界が被災してそれどころじゃなかったので(苦笑)とおっしゃっていました(笑)

そうですよね。

すこっぺさん

ただ、できることなら、歌舞伎座は
改築にしていただきたかったな、と思っています。
今は、とんでもなく高層のビルを建てる技術があるのですから
歌舞伎座を温存しながら耐震構造にする技術が
ないはずはない、と思っています。
でも、背中に高層ビルをしょって立つということは
やっぱり文化よりも商売優先ってことですよね。

なーんてこと言っても、もうしょうがないですけど。

でも歌舞伎座の中で誰ひとり怪我をしないですんでいることだけでも
喜ぶべきことだと思います。

ところで、5月まで玉三郎さんの舞台は無いってことなのですね。
うっ、淋しい~。でもゆっくりスローライフについて
考える時間を持っていただけたらそれはそれでいいですね。
次へのエネルギー補給の時間ですね。



お疲れ様でした

すこっぺさん、お寒い中お疲れ様でした。また、詳細なレポート有難うございます。

新しい歌舞伎座については、孝太郎さんもおっしゃっていましたが、なかなか役者さんが希望を言っても通らないみたいです。

そういえば、以前、桔梗さんがお衣装のことを書いてくださっていましたが、同じ演目ばかりにしてお衣装をできるだけ新調しないみたいな・・・。今年だけで「勧進帳」はいったい何回あったんでしょうか。松竹さん、あまりに儲け主義に走りすぎているような気がします。観客動員も減少傾向だそうで、松竹のそういう姿勢をお客さんはよく見ているのだと思います。

ところで、玉さま、1月の後5月まで舞台がないんですね。ということは3月の中村座での「勘九郎襲名披露公演」もご出演はないということですね。ひょっとしたら・・・と淡い期待を持っていましたが、残念です。

良かったです。^^

すこっぺさん、朝の5時から並んだ甲斐がありました。
風邪もひかなかったようですし、良かったです。^^

「覚悟を決める」
大変なことですよね。
言うは易し、行うは難し。

それぞれの立場で「覚悟を決める」ことがあります。
来年はそういう年にしましょうか。^^

孝太郎さん

おとらさん

歌舞伎座への要望を受け付けてくれないって
前におとらさんから孝太郎さんの発言を教えていただいて
やっぱり~って思ったんですよね。

>今年だけで「勧進帳」はいったい何回あったんでしょうか。

「石切梶原」とか、「寿曽我の対面」とか。
何回対面すれば気が済むんだいって思っちゃいます。
お客さんのことをなめてはいけないよって。

その点、玉三郎さんは徹底してお客さまのためにと
考えて労を惜しまずやってくださるところが
素晴らしいですよね。松竹のせいにしては
いけないってことなんですよね。
生き方ですよね、玉三郎さんの。

孝太郎さんのブログを最近、拝見するようになり
なーんか、とぼけた(失礼)面白い方ですね。
ネクタイのこととか、役者っぽくないっつうか。
なーんか、おもしろい。仁左さんとはまた違いますね。

なかなかねえ

まるこさん

私も、来年は覚悟を決めるって決めました。

生きているうちにしかできないことは
やるっきゃないですね。(なんのことだ)

とにかく、みなさんそれぞれに
「覚悟を決めて」前に進みましょう。
プロフィール

桔梗

Author:桔梗
坂東玉三郎さんの 芝居に舞踊に歌唱に舞台演出に 映画監督に朗読に執筆に 歩く姿も潜る姿も後ろ姿も素ッピンも☆☆ すべてに魂を揺さぶられ〜~ 玉さんブラヴォ----ッッッっ!なエブリデイ!

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