広重美術館

先週の「カンブリア宮殿」という番組で
新しい歌舞伎座の設計を担当している
建築家・隈研吾さんの特集を見ました。

隈さんは世界中にクライアントをもち、
50ものプロジェクトが同時進行しているという
日本を代表する建築家ですが

その昔、都内に創った建物が不評で
しばらく仕事がこなかった時期があったそうです。

その時、高知県梼原町(ゆすはら町)の知人に声をかけてもらい
訪れた芝居小屋「ゆすはら座」(昭和23年完成)が
隈さんの建築人生の新たな出発点になったのでした。

人間の背丈にあった空間、そのスケール感。

「ゆすはら座」の保存運動にも参加し、それ以来、
梼原町の木材を生かした建築に取り組んでいる隈さんは、

「地元の人たちとの付き合いが続いていって
人間関係ができるというのは一番うれしいこと」

「地方にこそ、世界に通用するものが沢山ある。
その宝に気がついていない人が多い。もったいないこと。
宝の持ち腐れ」とおっしゃいました。

すぐに、玉三郎さんと八千代座の関係を想起しました。

コンクリートだらけの東京に一極集中しているうちは
日本の真の国際化はかなわないと、私も思います。

地方の良さを、玉三郎さんは肌で感じて、それを守り
人との繋がりを築いて、20年もの歳月がたったのですね。
こういうところも、玉三郎さんの凄いところですね。

実際に、隈さんの根津美術館やサントリー美術館は、拝見しましたが
もっと見たくなり、栃木県馬頭にある広重美術館に行ってきました。
こちらも地元の杉や和紙を使って、創ったもの。(2000年完成)

「建築も、人間と同じように、どううまく年をとらせるのか、
エイジングのデザインと呼んでいる」と隈さんが語っていたように、
外観は雨や風のせいで木は色褪せて、枯れた味わいになっていました。
広重1

でも、美術館に入るぞ!という、変な威圧感がないのです。
一緒に行った父も、「美術館とは思えない外観だね」と。
もちろん馬頭のロケーションもありますが、ある人の自宅を訪ねるような
気安さがあるんです。エントランスの風景も、竹が見えていい感じ。
広重2

美術館の内部です。光の取り入れ方の塩梅がいいんですよね。
広重3

そしてトイレ。サインも可愛くて。洗面台が凝っているんです。
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広重6

建物の入口までの長いアプローチは、根津美術館に通じますね。
広重7

隈さんの人柄の魅力は、「素直さ」だと思いました。(おこがましいが)
戦略家であり、とても素直。その絶妙なバランス。

隈さんは、新しい歌舞伎座について
「瓦が圧倒的な迫力を持って、東京全体に波及するくらいの
求心力をもっていた。それを守ろうというのが基本です」と語っていました。

幾多の敵(クライアント=松竹)が待ち構える新・歌舞伎座建築で
何とか、ご自身の意思を貫かれますように、祈ります。

広重美術館では企画展「よみがえる江戸のお化け・妖怪」を鑑賞。
こちらも、面白かったです。

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自然な建築

隈研吾さんの「自然な建築」を読んだことがあり、その中でこの「広重美術館」も取り上げられていました。本は写真が白黒でしたが、やはりこうやってカラーで拝見するとステキさ倍増ですね。

おっしゃるとおり、根津美術館とよく似ていますね。根津のほうは上京した折に見学しました。エントランスを入ると、お庭が広がり、とても開放的な空間でした。もともとあったお庭を生かした建物でした。

新しい歌舞伎座も、あの桃山時代風の造りを生かして、素晴らしい劇場にしてくださることでしょう。楽しみです。

松竹だって、隈研吾さんに依頼したってことは、ある程度はそういう期待があるのではないか?とそれに期待しましょう。もし、箱だけでいいのなら、特に有名な建築家に頼まなくても、清水建設とか竹中工務店とかに直接発注すればいいと思うんですが。素人考えかなぁ・・・。

んにゃ~

おとらさん

「自然な建築」を私は読んだことがありません。
今度、読んでみよーっと。

カラーをそう言っていただけて良かった。

自分の下手っぴな写真で
隈研吾さんの作品の価値を下げてもいかんよな、
と思いつつ、載せました。

松竹が、静かなワケない、と踏みました。
松竹だけの問題ではないですね、きっと。
あらゆる政治力やら経済力やらの介入必至、
でも、今さらですよね。

隈さんは、そういうモロモロの組織と
ずっとお付き合いしてきたわけですからね。
超一流ですもんね。

でもなー、
という私の動物的な直感であります。

歌舞伎座

隈研吾さんは有名な建築家、ということしか知りません。

ただ、歌舞伎が大好きな方だといいなぁ・・・と。^^

新しい歌舞伎座情報

昨日、つい“出来心”で「孝太郎Cafe」なる片岡孝太郎丈のファンの集いに参加してしまったんですがe-465、その折に孝太郎さんが新しい歌舞伎座についておっしゃっておりました。

役者さん側からは座席を、最近の劇場によくある互い違いの配置、前の人の頭で見えないということがない座席を希望されたそうですが、そうなると座席数が少なくなるそうで「却下e-464」だったそうです。さらに、客席に勾配をつけて、後ろの人でも見やすいようにしてほしい、という希望も出されたそうですが、そちらもお年を召したお客様に危ない、という理由で「却下e-464」となったそうです。

隈さん、やっぱりお大変なんでしょうか。

あの番組で

隈研吾さんのことを、いろいろ知りました。
そして新歌舞伎座に希望を抱きました。

歌舞伎好き、玉さんファンなら
もっといいですね~
そういう情報はありませんでしたー。

残念無念

おとらさん

いろいろ活動範囲、広いですね。
出来心、大事ですよね。

なるほどなるほどー
役者さんの意見は、お客様の意見にも通じているのに
残念ですね。

特に、座高の低い(小さい)年配の方々には
互い違いの座席はいいと思うんですけどね。
商売商売なのかな、やっぱり。

なのに、勾配は危険だからって理由も
どうも腑に落ちませんね。
松竹の指針が、よくわかりません~。

孝太郎さんの口から伝えられた
確かな情報、とても貴重ですね。
ありがとうございました。

隈さん、がんばってー。
(意味もなく声援を送っておきます)
プロフィール

桔梗

Author:桔梗
坂東玉三郎さんの 芝居に舞踊に歌唱に舞台演出に 映画監督に朗読に執筆に 歩く姿も潜る姿も後ろ姿も素ッピンも☆☆ すべてに魂を揺さぶられ〜~ 玉さんブラヴォ----ッッッっ!なエブリデイ!

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