黄金の日々
「お母さんの遺品を整理していたら、歌舞伎座の筋書きが
沢山、とってあったよ」と、父が私に渡してくれました。
筋書きの最後のページにはチケットを貼って、
誘ってくださった方や、ご一緒した方の名前と一言メモが書かれています。
へえ〜けっこう観ていたんだね、と、一冊ずつ見ていくと
先代の勘三郎さんと七代目梅幸さんの「廓文章」や、
先代勘三郎さんと歌右衛門さんの「盲目物語」、歌右衛門さんの「将門」、
七代目梅幸さんの「藤娘」や「棒しばり」、菊五郎さんの「鏡獅子」、
さらに先代仁左衛門さんや幸四郎さんなどなどなど
ひと世代前の看板役者さん達が勢揃いです。
「え〜っ、七代目梅幸さんを観ていたんだーっ」といちいち驚く私
で、玉三郎さんはと探してみると、ありました。
昭和54年の「三月顔合わせ大歌舞伎」の昼の部
「黄金の日々」の美緒のお役でご出演。
おーっ、玉さん28歳の時、さすがに若いっ!
孝夫さんも木下藤吉郎のお役でご出演でした。
「ぷろふぃーる」というページにお二人のコメントが。
坂東玉三郎
「『黄金の日々』のテレビは、時折見ていましたのと、年末の
総集編を拝見いたしました。助左のそばにはほかに女の人がいたにせよ
助左にとって美緒は一生の思い人だったのではないかと
私は思います。美緒は思いを胸に秘めた、と言っても、内向型ではなく
昔の人にしては行動力のある女の人のようです。皆さんには
テレビの栗原小巻さんのイメージがおありでしょうが.テレビと
お芝居とではおのずと趣きも違うでしょうし、私はこだわりません。
お芝居はやはり何と言っても脚本が土台ですので、今回の
『黄金の日々』もどんな風になりますか、久しぶりの新作ではあり
楽しみです。
片岡孝夫
(前略)今回、テレビを見慣れた方は、拍子抜けするかもしれませんが
私は私なりの藤吉郎を作りたいと思います。実際の秀吉は、
小男だったと言いますし、今度は大変、老けなくてはなりませんし
柄でいささか苦労いたします。
「思い人」、いい言葉ですね。
お二人とも真摯な中に、当時大流行したテレビには負けてなるものか、
という強い決意と熱い思いが伝わってきます。
あ〜あぁ、母に、梅幸さんのことを聞きたかったなあ。
歌舞伎のこと、もっともっと話したかったなあ。
でも、筋書きを眺めていると、母が、歌舞伎座でたっぷりと
黄金の時を楽しんでいたのだなと思えて、満たされました。
筋書きに掲載されている「刺青奇偶」のレコードの広告です。
重鎮お二人に可愛がられていた玉三郎さん。
「廻り舞台」のつぶやきが可笑しい~
沢山、とってあったよ」と、父が私に渡してくれました。
筋書きの最後のページにはチケットを貼って、
誘ってくださった方や、ご一緒した方の名前と一言メモが書かれています。
へえ〜けっこう観ていたんだね、と、一冊ずつ見ていくと
先代の勘三郎さんと七代目梅幸さんの「廓文章」や、
先代勘三郎さんと歌右衛門さんの「盲目物語」、歌右衛門さんの「将門」、
七代目梅幸さんの「藤娘」や「棒しばり」、菊五郎さんの「鏡獅子」、
さらに先代仁左衛門さんや幸四郎さんなどなどなど
ひと世代前の看板役者さん達が勢揃いです。
「え〜っ、七代目梅幸さんを観ていたんだーっ」といちいち驚く私
で、玉三郎さんはと探してみると、ありました。
昭和54年の「三月顔合わせ大歌舞伎」の昼の部
「黄金の日々」の美緒のお役でご出演。
おーっ、玉さん28歳の時、さすがに若いっ!
孝夫さんも木下藤吉郎のお役でご出演でした。
「ぷろふぃーる」というページにお二人のコメントが。
坂東玉三郎
「『黄金の日々』のテレビは、時折見ていましたのと、年末の
総集編を拝見いたしました。助左のそばにはほかに女の人がいたにせよ
助左にとって美緒は一生の思い人だったのではないかと
私は思います。美緒は思いを胸に秘めた、と言っても、内向型ではなく
昔の人にしては行動力のある女の人のようです。皆さんには
テレビの栗原小巻さんのイメージがおありでしょうが.テレビと
お芝居とではおのずと趣きも違うでしょうし、私はこだわりません。
お芝居はやはり何と言っても脚本が土台ですので、今回の
『黄金の日々』もどんな風になりますか、久しぶりの新作ではあり
楽しみです。
片岡孝夫
(前略)今回、テレビを見慣れた方は、拍子抜けするかもしれませんが
私は私なりの藤吉郎を作りたいと思います。実際の秀吉は、
小男だったと言いますし、今度は大変、老けなくてはなりませんし
柄でいささか苦労いたします。
「思い人」、いい言葉ですね。
お二人とも真摯な中に、当時大流行したテレビには負けてなるものか、
という強い決意と熱い思いが伝わってきます。
あ〜あぁ、母に、梅幸さんのことを聞きたかったなあ。
歌舞伎のこと、もっともっと話したかったなあ。
でも、筋書きを眺めていると、母が、歌舞伎座でたっぷりと
黄金の時を楽しんでいたのだなと思えて、満たされました。
筋書きに掲載されている「刺青奇偶」のレコードの広告です。
重鎮お二人に可愛がられていた玉三郎さん。
「廻り舞台」のつぶやきが可笑しい~