幕見席から、淀の方。

13日は、「沓手鳥孤城落月」を、幕見してきました。

午後2時半に歌舞伎座に到着。すでに行列が。
幕見席のチケット発売は午後3時からです。
30番台の整理券をゲットし、二列目の真ん中に座ることができました。

御簾の向こうに現れた淀の方の身体のラインが不気味に映り、
抑えきれない怨念がそのシルエットに滲んでいるように見えました。

お~っ、怖い!淀の方の千姫に対する憎しみがより色濃く感じられて
その日は、とびきり怖い!激しく怖い!と感じました。

幕見席からは、生でも拝見したいし、表情もガンミしたいし、で
オペラグラスの紐を首にかけて(笑)、両目使いで、
忙しく、淀の方に寄ったり引いたりしながら眺めました。

淀の方が、饗庭の局に言う「くちと心は裏表。人の心は上から見えない~」
からが好きなのですが、迫力でした。とても長い台詞。キッパリとしていて
気高く、毅然とした中に、深い悲しみ、尋常ではない失意が。

秀頼がいっそ母上を殺して解放してあげようと刀を振り上げた時の
淀の方のお顔が、上からだとよく見えました。ここはオペラグラスでね。
目をつぶり、スッと上に向けられたお顔が、それは高貴で美しくて
あんなに激情していた淀の方の心が夢幻のように感じられて、
ああ、このお顔が見られて良かった、と思いました。

正気と狂気を彷徨いながら心乱れていく渦中も、
淀の方の打掛の裾が、とても美しい形になっていて
そうしたギャップにより一層、切なさが込み上げてきました。

「この日本四百余州は、みずからの化粧箱も同然じゃぞ」と
言い放った後の何者をも許すまじという凄まじい表情、
そして、「無念じゃ!」の声が、今もはっきりと甦ります。
あの一言に込められた淀の方の人生。
威厳、誇り、そして落胆、どん底。
この人にしか言えない言葉だな、と。

秀頼が「いかなる恥辱も、母上には替えられぬわい」と言って
母と息子が見つめ合うラストは、やはり泣けてしまいました。
どこから見ても、やはり悲しい。でも、なぜか温かい。

21日は、三階席から拝見します。
今度は、めで鯛焼き食べようっと。

ポスターに小さく載っている淀の方の表情が、いいなぁと。ガンミしちゃいましょう。

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17日の歌舞伎座

桔梗さん、セリフを良く覚えておられますね。
わたしの記憶にあるのは、淀の方の「この不埒者めが」と、児太郎さんが玉三郎淀の方に言う「見れば見るほど美しい」。
その後の悪口雑言はとおりすぎて、「見れば見るほど」を反芻しました。

狂ったときの打掛が豪華で華麗なのが悲劇性を強調します。

「秋の色種」も堪能しました。玉三郎さんの扇の光り方は格別でした。
はじめて気がついたのですが、黒い着物の時は、鬘も年増風でした。結い方の名前は知りませんが。

ふぅぅぅぅぅぅ・・・

観てきました。
お逢いしてきました。

淀殿と秋の女。
どちらも素晴らしかったです。

今回ご一緒した歌舞伎ほとんど初体験の方が、「また、誘ってください!」と興奮していました。早速2月のお約束をしました。
玉さんファンが1人増えました。(笑)

夢のような時間が過ぎ、普通の日々です。^^

17日は国立劇場

歌舞伎座は16日でした。失礼しました。

15日の朝、ホテルで日曜美術館を見ていると、みうらじゅんが「運慶はスゲェ」と言っていたので、17日、国立劇場で仁左衛門さんの「霊験亀山鉾」だけの予定でしたが、その前に東京国立博物館の「運慶」に行くことにしました。
混雑が心配でしたが、朝9時半到着で、チケット売り場も入場も多少は並びましたが、それほどの待ち時間はなく、無事に鑑賞できました。
並んでいる像を見ていると、微妙に首の角度、口の開け方など違っていて面白く思いました。リアルで迫力満点でした。

国立劇場では吉太朗くんを見つけるのがもうひとつの目的でしたが、セリフのある芸者役をそつなくこなしていて、ひと安心。仁左衛門さんはさすがでした。

「孤城落月」でひとつ気になったのは、児太郎さんが捕まえられて自害する前の長台詞の場面、照明が座敷だけにあたっていたのですが、せっかくの見せ場なんですから、児太郎さんにもあたっていてもいいのに、と思いました。
「孤城」の舞台装置、ものすごく立派、と思いました。

見れば見るほど美しい!

京にんじんさん

17日も堪能されましたね。

>桔梗さん、セリフを良く覚えておられますね。

3回目なので(笑)。いい台詞!と特にグッときたところを
10分の幕間と終演後にあわててノートにメモしました。
なるべく正確に覚えていたいなぁ、と思って。
でも物忘れが激しいので、家に帰ってきてノートを見て
「あーそうだったそうだった、これこれ!」と
思い出しては、書いている次第です。

あと、秀頼が泣いているのを見た、淀の方の言葉にもグッときました。
ここメモし忘れたのですが、「男なのに泣いておじゃる、泣いておじゃる…」と
何回も、何回も、言うのですよね。悲し過ぎます。
あと涙が流れる様子を表現していて、凄いなぁと。
狂気と正気を彷徨う時に、人はあのような表現をするのか、
どんな風に想像したのだろう、と、
坪内逍遥先生に聞いてみたいことがいっぱいです。

「この不埒者めが!」は、次回、しっかり聞いてきます。

打掛の豪華さと、品の良さで、悲劇性が高まりますね。
あと、黒髪が乱れる、という視覚的な効果にいつもハッとします。
髪が乱れる時、人の心がちゃんとしてるためしはないですね。
狐忠信の髪の毛バラン効果とか、歌舞伎では
そこに色気も醸し出されて、何とも言えず、こっちの心も乱れます。

玉三郎さんの扇は、京丹後の時とはまた違っているように見えました。
とても美しく輝いていて、扇にも目を奪われます。

黒いお着物はその筋の女性って感じでカッコいい。鬘もそうですね。
サラッと洒脱で、こういう人が昔はいたんだな、と思えます。
あんな風にお着物を着こなせたらいいなぁ(遠い目)。

祝祝祝祝祝!福

まるこさん

とうとう、その日を迎えて、ご堪能されましたね!
憧れの方にお逢いできましたですね。

そうです、その一言につきるのです。
どちらも、素晴らしい!

>、「また、誘ってください!」と興奮していました。
  早速2月のお約束をしました。

うわぁ~、玉三郎さんの舞台に興奮&衝撃を受けられたのですね。
そういうお話を聞くと、私も興奮します。
私からもお誘いしましょうか。えっと、11月と12月とー。うひひ

たぶん、「幽玄」に続いて、今月も
玉三郎さんファンが大量に増えていると思われます。
すごい評判ですよね、いろいろな方の感嘆の声をあちこちで見聞きします。

>夢のような時間が過ぎ、普通の日々です。^^

そうなんですよね~、夢のような時間。
そして、普通の日々。どちらもあってこそ、ですね。

また粛々と日常を送って、次に備えましょうぞ。

スゲエ行きテー

スゲエ行きテー

京にんじんさん

運慶展にスンナリと入れて良かったですね。
とても混んでいると聞いて、私はいつ行こうかな、と思案中です。

「日曜美術館」みましたよ。みうらじゅんさんがスゲエ運慶!と言ってましたね。
阿修羅チームがジャニーズなら、八大童子立像はダンサブルなエグザイルチームとか。
会ってもいない人をリアルと思えるスゴサ。心の彫刻だ、などなど。
運慶の玉眼の力にはいつも恐れ入ります。
私も、水晶を目に入れてみたくなります。
運慶もスゲエですが、やっぱりスゲエのは
玉三郎さんの眼の力。ザ・生きる玉眼。いつも恐れ入ります。

そうそう、幕見席で発見がありました。
京にんじんさんが以前、ご紹介くださった、
歌舞伎の上演中に手元で台詞や歌詞を文字でみるあの機械(名前がわからん)。
フォーリナーの方が、次から次と借りていらっしゃいました。
この間も立ち見が出るほど盛況でその多くがフォーリナーの方だったのですが
イヤホンガイドよりも、文字で見る機会の方が人気のようです。
係りの方の説明を聞いて、「オ~ケ~ッ!」って言ってました。
「無念じゃ!」はどう翻訳されているのでしょう。

吉太朗さんご活躍なのですね。
国立劇場の仁左衛門さん、行ってみたいと思いつつ
チケットも買わずで時が流れております。

>照明が座敷だけにあたっていたのですが、せっかくの見せ場なんですから、
 児太郎さんにもあたっていてもいいのに、と思いました。

全体に照明は暗めですよね。より、リアルというか。
幕見席からはオペラグラスでも奥の方に座っている
守若さんの表情は、暗くて見えませんでした。
そういう意味では一階席で観る時の臨場感がひと際です。

舞台装置も立派ですね。
ドッカーンときて崩れ落ちるところも凄まじくて。
あの戦禍に身を置いたら、責任ある立場にいなくても
パニックになってしまうだろうなと。
淀の方の強さも脆さもリアルに感じられました。

玉三郎さんのコメントがアップされましたね。
よかった~なんだかホッとします。
お写真も、澄んだ空と雲と夕日が美しくて
引いて見ると3つの色のトーンがアーティスティック!
ずっと眺めて、ボーっとしています。
人間は、ボーっとしている時に脳がフル稼働するのだそうで
それを知ってから、よりボーっとするようになりました(笑)。

No title

桔梗さん、おはようございます!

やはり皆様の感想を拝見すると見逃してはいけないところだらけですね。
淀の君の表情、長台詞、秀頼とのやりとり、正気と狂気の間、
衣装、舞台装置・・・
見逃したらNHKさんの録画があることを期待するしかないかな。
観たい気持ちばかりが逸って一日が長い最近です(笑)

>上からパールさんを探そうっと。
>めっけたら、「パール屋!」と大向こうかけますわ

聞こえたらすかさず私も「桔梗屋!」とかけますわ。
(なんだか老舗大店のお名前みたい)

幕間の大向こう

パールさん

こんばんは。

身構え過ぎても硬直して見逃してしまいそうですから(笑)
どうかリラックスしていらしてくださいませ。

>淀の君の表情、長台詞、秀頼とのやりとり、正気と狂気の間、
 衣装、舞台装置・・・

たぶん、きっと、いや絶対に
パールさんはすべてを感じ取られると思います。

パール屋!桔梗屋!
幕間の大向こうって新しいですかね(迷惑でっしゃろ)

今回、幕見席では、開演前に
静かな演目なので掛け声はお控えくださいという
アナウンスがありました。
でも、何回か声がかかったので(控え目でしたけど)、
「あれ?聞いてなかった?さっき先生何て言ったっけ?」
の気分になりました。

めっけたら「屋」をつけないで、呼びかけますね。

いよいよですね~!
かなり寒いので(師走並み)厚着していらしてくださいませ。

雨の十月

桔梗さん みなさま ご無沙汰しております。
それにしてもよく降る雨ですね。しかも寒い! 東京は先週からずっと寒い寒いと聞いていて、着るものに頭を悩ませながら、19日と20日の連チャンで夜の部観てまいりました。
やっと、やっとです! 9か月ぶりの東京、初めてお逢いする淀の方と秋の色種の女(の方)。すでに桔梗さんやみなさまが色々書いて下さっているので、想像を膨らませながらルンルン気分で(古い)と言いたいところですが生憎の雨。ホテルに荷物を預けて少々鬱々としながら銀座を歩き、お蕎麦屋さんでお昼を食べているとテレビから玉さんの声が! 肺炎予防のCMが二回も流れ、一気にテンションが上がりました。体も温かくなったし、玉三郎さんの声、ほんとに癒されますね。
「沓手鳥孤城落月」。劇場の中にも雨が降りました。両日とも三階席でしたが、ほんとにすぐ近くで雨が降っているように聞こえ、合戦の時の音などもすぐそこまで兵が迫っているような臨場感がありました。音楽は一切ないけれど音響は凝っているなと感じられました。そうした中での淀の方もまたリアルで、生身の女という気がしました。美しすぎて怖すぎて哀しすぎるけれど。千姫に対する責めが容赦なくて、ほかの局たちに対しても毅然としていて、怖いよ~と思って観ていたのですが、それだけ豊臣の家を守りたいという気持ち、その一心でいられたお方なのだなという事もわかりました。背負っていたものが大きすぎて、だからこそ守れないと悟られた時の「無念じゃ!」が心に響くのですね。「無念じゃ無念じゃ無念じゃ~」としばらくの間心の中でつぶやきそうです。
心が壊れてしまってからの乱れたお姿も美しくて、黒髪が乱れて尋常ではないご様子になられてからの秀頼とのやりとり。秀頼が泣いているところ、桔梗さんが書いて下さったように涙の流れる様子を淀の方が不思議そうに見つめて「あれあれ、こっちの目からも流るる、流るる…」って仰る時の細く澄んだお声が哀しくて、堪りませんでした。今も思い出すと泣けてきます。つらいけれど、淀の方を取り巻く人々の愛情にもあふれていて、やはりこの舞台を観られてよかったと思います。
でも観ている時はなんだか余裕がなくて、帰ってきてからまたこちらのブログを読んだり、それこそあーだったこーだったと思い出したりしてやっと腑に落ちるって感じです。
「秋の色種」。言葉にするのがもったいない位、何もかも素敵でした。
三島由紀夫だったでしょうか、「実際の秋より秋を感じる」とこの曲に対して仰ったとか、イヤホンガイドで聞いたような気がします。(なんとも曖昧)ほんとにそうですね。今年は秋らしい日がほとんどなかったですから、歌舞伎座でこんなに風情ある秋を満喫できて良かったです。
舞台背景の秋の草花の中で桔梗の青い色がひときわ目について「あっ、桔梗さん」と思いました。お着物にもいらっしゃいました。玉三郎さんお一人の時も三人になられてからも終始うっとり。秋のお庭に出て、草花を愛で、虫の声に耳を澄まし、お花を活けてみたりお手紙を書いてみたり、お扇子が自在に形を変え、お見事としか言いようがありませんでした。自然でなめらかでやわらかくて、ふわふわ~とした世界。そして虫の音にも癒されました。児太郎さんと梅枝さんが花道を出てこられる時のリーンリーンという澄んだ虫の音に心がスーッとしました。玉三郎さんの美しさは言うまでもなく。黒いお着物も素敵でしたね。黒と白のコントラストにお花とお扇子のゴールドが加わって、ハッとさせられました。カッコいい!
二日間あっという間でした。夜の部だけだったので(汗)二日目の昼間ちょっと足を延ばして新宿の東郷青児美術館へ行ってみました。昔よく目にしたことのあるような絵がいっぱいあって懐かしく、とても好きな感じと思いました。うつむき加減のたおやかな女性像に心惹かれてきました。余談でしたね。長々と書き込みすみませんでした。

大型台風。

えつこさん

ほんとーに、よく降る雨ですね。
私も、このところいつもお園さんの言葉をつぶやいています。
大型台風が脅威です。気をつけましょうね。

そして、感想をたっぷりとありがとうございます!
19日と20日にいらしたのですね。

お蕎麦屋さんで玉三郎さんのコマーシャルにも遭遇できて
良かったです。テンションアーップ!
私も、録画を仕掛けたら(地引網のように)
3回分が入っていて嬉しくて何回も見ています。

>そうした中での淀の方もまたリアルで、生身の女という気がしました。

私も、そう感じました。人として身近に感じられるというか。
そしたら、昨日、筋書きを読んだら、玉三郎さんが
「あくまでも一人の女の生き様として描きたい」と語られていたので
あー、やっぱりそうだったんだ、と。すごくよく伝わってきました!!
と、お写真に向かってお伝えしておきました(笑)。

>背負っていたものが大きすぎて、だからこそ守れないと悟られた時の
 「無念じゃ!」が心に響くのですね。

そうなんですよね、その責任の重さと、淀の方の誠実さ、一生懸命さ、
そして落胆。そこからの「無念じゃ!」にグッときました。
格が違うのですよね。私なんて、美味しいものを食べそびれたときに
「無念じゃ!」と言うくらいで(聞いてないでしょ?)

昨日は、「流るる…」がまたひとしおでした。
なんというか、スケールの大きさを感じてしまって。
とても個人的な悲しみの中に、大きな悲しみが感じられて。
淀の方がそこにいる、と思いました。

>舞台背景の秋の草花の中で桔梗の青い色がひときわ目について
「あっ、桔梗さん」と思いました。

えつこさん、なんて嬉しいことを思ってくださって(嗚咽)
私も、お着物の袖がひらりと返って桔梗が見えるたびに
わぁ~桔梗だー桔梗だーと図々しく狂喜乱舞しておりました。
桔梗が秋の色種で本当によかったです。

お花を活ける時の鋏のパチンを扇でなさって!スゴイな、と。
ほんとに挟みの音でしたよ。二度見しちゃいましたよ。
さらさらと和歌をしたためるところも粋ですね。
あんずさんに聞いたのですが、落語家さんは、玉三郎さんの扇の扱いの
素晴らしさをお手本にして研究されているのだそうです。

「秋の色種」、見れば見るほど風情が感じられて本当に美しいです。
松竹座でまた拝見できると思うと嬉しくて嬉しくて。

>二日目の昼間ちょっと足を延ばして新宿の東郷青児美術館へ

玉三郎さんの舞台の感動が、えつこさんを美術館へと誘ったのだなと思います。
素晴らしい時間を過ごされてブラヴォーです。
沢山書いてくださってありがとうございました!
プロフィール

桔梗

Author:桔梗
坂東玉三郎さんの 芝居に舞踊に歌唱に舞台演出に 映画監督に朗読に執筆に 歩く姿も潜る姿も後ろ姿も素ッピンも☆☆ すべてに魂を揺さぶられ〜~ 玉さんブラヴォ----ッッッっ!なエブリデイ!

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