「命」と「魂」 @立正大学トークイベント

8月8日に開催されました、立正大学トークイベント
「坂東玉三郎 伝統文化の継承と新たなる挑戦」に行って参りました。

とても和やかな雰囲気の中、玉三郎さんは、楽しいお話と、
大切なことを色々、お話ししてくださいました。
ちゃんとお伝えできるかどうか自信がなく、なかなか書き始めることが
できませんでした。そこが心配なのですが、書かせていただきます。

舞台中央にお着物姿の玉三郎さん、右手に妙源寺ご住職小林順光さん、
左手に立正大学仏教学部教授寺尾英智さんがお座りになられました。

妙源寺は、玉三郎さんのご実家の菩提寺で、幼い頃からお父様と
よく遊びにいらしていたそうです。そしたらその後、守田家の菩提寺でも
あることがわかって、大変びっくりされたそうです。すごい偶然ですね。さらに
お二人のお父様は同い年で、お二人とも呑兵衛だった、と、玉三郎さんが
クイッと盃をあけるしぐさをして(ここ萌えポイント)、ご説明くださいました。

玉三郎さんはインタビューなどで、いつも実のお父様のことを
「料亭で母が忙しかったらから、いつも父は僕と一日中、一緒にいてくれました。
母と父が逆だったんです」と、お父様の溺愛ぶりをお話ししてくださいますが
楡原家に精通するご住職が、お父様は地元の名士で、実業家でも
いらしたことなどをお話されて、今までと違う玉三郎さんのお父様像を
知ることができ、とても新鮮でした。玉三郎さんの幼少期のこともお話してくださり
お寺の境内で遊んでいた子供たちは、だいたい鼻を垂らしていたのに
伸ちゃんだけは鼻を垂らしていなかった、とおっしゃっていました(場内爆笑)。
また当時、山手線から見えたオバケエントツ(見る角度によって4本に見えたり
1本に見えたりするエントツ)のことを玉三郎さんがお話されて、
昭和の伸ちゃんにも、触れることができました。

お芝居については、13代守田勘彌さんが「ジャンバルジャン」など
海外の作品もやってらして、中国の梅蘭芳さんとも交流があったこと。
12代目守田勘彌さんも開けた方だったそうで、その流れで、自分も海外の
いろいろな作品に取り組むようになった、とおっしゃっていました。
スライドに道成寺の花子さんの写真が映しだされると、
玉三郎さんは照れちゃうのでしょうか、「もうけっこうでございます」と(笑)。

明治大学の講演会でもおっしゃっていたのですが、師匠でいらした
守田勘彌さんは決して褒めない、とても厳しい方だったので、終演後、
へこんだ時には、勘彌さんのお弟子さんでいらした方に、お風呂で背中を
流してもらいながら、めいっぱい褒めてもらった、とおっしゃっていました。
私は、このお話しに、ジーンときちゃって(涙)。玉三郎さんは、その褒め方にも、
「もっと信じられるように褒めて」と注文をつけていたそうです(笑)。

最後、ご住職が、玉三郎さんに、「命について」どうお考えですか、とお尋ねになりました。
玉三郎さんは、「命」について考えなければ舞台に立つ意味はない。
そうでなくては濃い人生を実感できないし、いい芸術は生まれない、とおっしゃいました。
明大の時も、そこにいるだけで存在感のある役者は、濃い人生を送っている、
ともおっしゃっていました。濃い人生という言葉が、ずっと心に残っています。
そして、「命」の時間は長いか短いで価値が決まるわけではない気がする、と。
「命」と「魂」は生きている時は一体になっているけれども、別々のものではないか。
「命には、身体で生きる時間があるけれども、「魂」に関しては、時空では語れない、
とおっしゃいました。私は、この言葉にとても感銘を受けしました。すごく共感しました。
「魂は飛んでいる」ともおっしゃっていたような気がします。
私は、両親を亡くして初めて、「魂」について考えるようになりました。
玉三郎さんがおっしゃった、「魂は時空では語れない」ということについて
自分の感覚では、たとえ、「命」が生きている時間が終わっても、
その人の「命」が死んでいる時間というものが永遠に流れているのではないか、と
思うようになりました。玉三郎さんのお話を聞いていて、その時に生きているのが
「魂」なんだ!と、「命」と「魂」の関係が、とてもクリアになりました。
また合掌するということについては、手を合わせて合掌することもあれば、
心で合掌することもあるでしょう、と。玉三郎さんには、舞台を通じても、そして
こうしたお話を通じても、目に見えないものを感じて生きていくことの大切さを
教えていただいているように思います。

日蓮宗主催ということで、心は正座をして臨んだのですが
ご住職も教授もとても気さくな方でまったく堅苦しくなく、
玉三郎さんのウィットに富んだお話に、終始、笑いが絶えませんでした。
素晴らしいトークイベントをどうもありがとうございました。



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No title

桔梗さん、こんばんは!
立正大学でのトークショーのお話ありがとうございます。
素の玉様が満載で頬が緩んでしまいます。
勘彌さんの厳しさとお弟子さんが褒めてくださるお話も
立場上厳しく仕込まざるをえなかった勘彌さん、それをフォローして
玉様を支えたお弟子さんのムチと飴により玉三郎さんの今があるのだな~と感慨深いお話ですね。やはり人はムチだけでは頑張れないですものね。
(という私は飴ばかり欲しがるダメ人間です (笑))

命と魂のお話、私も祖母が亡くなった時
"この人の魂はどこへ行ってしまうのだろう"と考えたことがあります。
通夜の時にご住職から"皆さんが故人のことをずっと心にとめて
思い出す、そうすることで皆さんの心の中に故人の魂が残っていくんです"と言われました。
魂というものは漠としているけれどやはりこの世に残っていくんだ、と
感じたことを思い出しました。

玉様のお話は深いと感じると共に楽しい可愛らしいお話も多いですね。
またそのうちにトークショーがあることを期待してしまいます。

10月の歌舞伎座、11月八千代座、コンサートとCD発売と
行事が目白押しになってきて楽しみですね。
どこかでお会いできるのを楽しみにしています。

こんばんは。

パールさん

読んでくださって、さっそくコメントを、
ありがとうございます。

素の玉三郎さんは、和やかで、ユーモアに溢れていました。
後ろにいらした男性が思わず
「この人、面白いなぁ~スーパースターだ」とつぶやいてました。

勘彌さんの教えは、三食小言付き(笑)で、
本当に24時間密着体制で厳しかったのだそうで
もう修業はまっぴら、と笑顔でおっしゃりながら
でも、そんな風に教えていただけて
自分は幸せだったとおっしゃっていました。
今では、そういう教えの場も、無いのではないか、と。
愛のムチと、愛の飴。両方とも必要ですね。

玉三郎さんは、命と魂が合体している時が人生、
とおっしゃっていました。まさに、そうですね。

そして、残された人にとっては悲しいとか残念ということはあるけれども
魂は次のところに行って自由になっているのではないか、
とおっしゃっていました。確かにそうなのかなと。
本人的にはもう人生の時間は終わって解放されているのですよね。
でも残された人にとっては、その人の時間がまだ続いていると
思えるというか、思いたいというか。
いずれにしても、パールさんが書いてくださったように、
魂は心の中に残っていくもの、心の中で生きていくものなのだと思います。

オバケエントツの写真がありました(笑)。
http://hwm7.gyao.ne.jp/hasu/obake.htm

玉三郎さんも幼い頃は山手線に乗っていたんだな、と。
とても親しみのわく伸ちゃんのお話がいっぱいでした。

秋からも、舞台にコンサートに、てんこ盛りで
ほんとうに楽しみです。
私も、またどこかでパールさんにお会いできるのを楽しみにしています。


No title

玉さまと桔梗さんにお会いするのを楽しみにしておりましたのに、あいにく伺えませんでした。

桔梗さんのレポを今か今かとお待ちしておりました。
素晴らしいレポ ありがとうございます!

最近つくづく思います。魂は永遠です。
深く記憶に、心に刻まれているあれこれ。
良きことも悲しいことも辛いことも…深層に残る幾多の記憶がいかなる時も知らぬ間に後押ししてくれている。
全てに感謝です。

玉三郎さんが与えてくださる生きるヒント。
常に精進しつつ自然体ということかしら。
有り難いことです。合掌

くれぐれも御身おいといくださいませね。
陰ながら祈っておりまする。

生きるヒント。

ゆの字さま

立正大学にはいらっしゃれなかったのですね。
私は、ギリギリに行ってすぐに出てしまったので
ゆの字さまにお会いできなかったのだな、と思っておりました。
ぜひまた立正大学でトークイベントをやっていただけるように
みんなで熱望いたしましょう。

読んでくださり、コメントもありがとうございます!
そうですね、魂は永遠。消えることはありません。
魂=生き方でもあるのかな、と思います。

>常に精進しつつ自然体ということかしら。

ホントに、そうだと思います。
玉三郎さんの生きるヒントは、
とても深くて、でも重々しくなくて、身近に理解できるのです。
玉三郎さんが自分の体験を、わかりやすく置きかえて
みんなに伝授してくださっているのだな、と思います。
いろんな意味で、道標にさせていただいています。

ご心配いただきありがとうございます。
雨の多い不安定な気候です、ゆの字さんも、ご自愛くださいませ。
プロフィール

桔梗

Author:桔梗
坂東玉三郎さんの 芝居に舞踊に歌唱に舞台演出に 映画監督に朗読に執筆に 歩く姿も潜る姿も後ろ姿も素ッピンも☆☆ すべてに魂を揺さぶられ〜~ 玉さんブラヴォ----ッッッっ!なエブリデイ!

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