竹の間で、心スパーク。

12日、歌舞伎座夜の部「伽羅先代萩」を拝見しました。

「竹の間」が、さらにさらにドラマティックになっていて、
最初から最後まで、心を揺さぶられっぱなしでした。

政岡の、八汐の、沖の井の、ひとりひとりの心模様が
3Dのように浮彫りになってこちらに投げかけられてきて、見応え満点!
そして、子役のお二人がこれまた素晴らしい!
鶴千代が、「僕には政岡じゃなくちゃダメなんだ」、というくだりでは
意地悪な八汐に、しっかりと真実を突きつけて火花がバチバチ。
「お前が牢屋に行け」という時の鶴千代の肉声に心から拍手を送りたくなりました。
こんなに小さいのに、何て愛情深い鶴千代なんでしょう。
それもこれも政岡が日々、子供たちに注いできた愛情の賜物なんだな、と
政岡の気持ちに思いを馳せながら、じーんと胸が熱くなりました。
乳母と若君とか、子供と大人とか、そこには身分も年齢も関係なく
鶴千代と政岡が、互いを思い合う愛情の深さだけが感じられて。
くるりんさんが書いてくださったように、鶴千代の言葉に、
政岡が「ありがとうござます」と手をついて挨拶をするとき、
グッときました。本当に、いい場面ですよね。
政岡のお膝の上に鶴千代が座っている姿がとても愛らしくて。
玉三郎さんが子役のお二人に注いでいる愛情まで感じてしまいました。

千松くんは、その姿や表情に味があって、目が離せませんでした。
鶴千代を、じっと見つめる視線が、何とも大人びていて、
ドンと構えていて、大物の片鱗を感じました。
あんなに小さいのに、あれだけの時間、集中して役を演じ切るって
スゴイことですよね。千松と鶴千代はまさに子役の大役ですね。

まま炊きでは、政岡がお米を研いで、
水を捨てる時の最後のしぐさがとても好きなんです。
ほんとにお水が入っているよう。スクッと水を切るところ。
見ていて、気持ちがいいのです。

そして、昨日は政岡の目の力に圧倒されました。
鶴千代を庇護しながらカッと見開いた目の強さ。
火花が散っているように見えました。
千松がなぶり殺しにあっている時の驚きの目
知らぬそぶりをして、悲しみを見せない目
そして千松を見つめている一番優しい目。
目に魂が宿っていて、時に火を噴いているように映りました。

「三千世界に子を持った親の心は皆一つ。 子の可愛さに毒なもの食うなと
言うて叱るのに、毒と見たらば試しみて、死んでくれいと言うような
胴欲非道な母親が、又と一人あるものかいな~ 」

政岡の言葉に、最後はやっぱりグズグズになってしまいました。
何回観ても悲し過ぎて、切な過ぎて、どうせなら、かたき討ちで
八汐をやっつけるんじゃなくて、千松がこうなる前に、やっちゃってくださいよーって、
毎回、思っちゃうのです。それじゃ、歌舞伎にならんのですよね。

政岡の打ち掛けにもすずめの絵がありますが、
襖絵にも、リースのようなグリーンとすずめの絵柄があって
とても洒落ていて、可愛らしいんですよね。
今回は、そういうところにも目を向ける余裕ができました。

辛いけど、観るほどに、おもしろみを噛みしめるようなお芝居なのだなぁと、昨日は、
「伽羅先代萩」のさらなる深みに触れられたような気がしました。



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私も12、土曜に行きました

悲しい話は好きではないし、いくらお毒味係がいる時代とはいえ、
茶釜で炊飯なんてあり得なさすぎる、と気が進まない観劇でした。
でもでも、泣けて泣けて。ハンカチより、ティッシュが大量に必要でした。周りが静かな中、自分のティッシュを出す音やら、自分の音が周りのご迷惑だはないかと気が気でないなか、涙は止まらず。
玉様、こんなに泣かせないでー、と改めて玉様の素晴らしさに感激しました。
花道で鶴千代君を抱く玉様の優しさ、鶴千代君はなんて幸せなんだろう。政岡はこうやって我が子を抱いて殺されないよう守りたかっただろう、とんで助けに行きたかっただろう、と、帰ってからもまた涙です。
目の前で子供を殺されても顔色一つ変えないのだから、子供を入れ替えておいたのだろう、と、やはり、あり得ない設定ながら、真実に思わせ泣かせるって、役者さん全員のうまさ、舞台装置、歌、全て揃っての賜物ですね。
子役の二人もすごかったですねえ。私、あんなにじっとできません。
それにしても、玉様のお点前の素晴らしさ!以前、テレビでの指導風景で、「そこ、お茶碗、ばっさって置かないで」っておっしゃっていらっしゃるのがとても印象的でした。注意なさるだけあって、
玉様が杓子を持つと本当に水が入っているようにしか見えないですよね。桔梗さんがお書きになっていた、水を捨てる場面と一緒です。そんな小さな場面の積み重ねだ、あり得ない設定のお芝居が本当に思えて泣かされるのですね。
玉様を知り、芸に接せれて本当に幸せだ、といつもながら思いました。
また、歌舞伎座にいらしたら、感想をお教えくださいね。


ティッシュ、ティッシュ~。

すみれさん

12日にいらしていたのですね。
悲しい話だから気が進まない、というにもわかります。
やっぱり、切ないシーンは、辛いですよね。
「牡丹燈籠」みたいに、笑えたら、楽しい。

でもでも、やっぱり歌舞伎って、凄い!と
観るたびに、感動しています。

>改めて玉様の素晴らしさに感激しました。

玉三郎さんの政岡、素晴らしいですよね。
観たぞっ、という充実感がハンパないというか。
濃いのです。中身がパンパン。

>子役の二人もすごかったですねえ。私、あんなにじっとできません。

本当に感心しました。どんな修業をされているのだろう、って。
あんなに小さいのにね。肝が座ってるなと思いました。

それぞれの役が、立っているところが
観ていて気持ち良いというか、腑に落ちるというか。
すみれさんが書いてくださったように、
皆さんが、素晴らしいですよね。
どんどん進化&深化している気がします。

二度目の観劇

19日夜の部、行ってきました。今回は三階から全体をよっく観てきましたよ。

この日は子役さんが二人とも初日と替わっていましたのでそれぞれダブルキャストなのでしょうか。千松くんがより小さい子役さんで、竹の間から上手の襖に去って行くとき足が痺れたのかなかなか立ち上がれなくて、とうとう後ろの腰元に立たせてもらって。鶴千代の刀を持ってはけたら客席から「よく頑張りました!」の拍手。ひと時ほんわかとしました(笑)

まるで大岡政談のように理詰めでバッサバッサと八汐を論破する沖の井。演じる菊之助さんご自身の清潔感と相まって、凛と爽やか。

歌六さんは憎々しさだけではなく、高位にある身内の権力をかさに着て傍若無人に振る舞うという現代にも通じる夫人の軽薄さが感じられて、何というか、滑稽な感じもありで。竹の間と御殿でお化粧を変えて、その後渡辺外記での大奮闘。何をやっても安心して観ていられるすごい役者さんだと感じました。

上から拝見した竹の間。私が「スパーク」を感じた一つは小槙役の児太郎くんと玉三郎さんの絡みです。

素晴らしい先輩達を相手に一歩も引かず若い力を思いっきりぶつけて、しかも格を保った演技が素晴らしかった。役柄からだともっと年増の感じが合うのかもですが、全然違和感なかったです。
玉三郎さんがどんな玉でも投げてらっしゃい、ちゃんと受けるから大丈夫!と言っているみたい。

花道の小槙と舞台やや上手の政岡のライン上に静かに座っている沖の井。「うわ~~~っ 政岡が三人居る!」とぞわぞわぞわ―――。

玉三郎さんと同じ舞台に立ってたくさん吸収して、いずれ政岡を演じる時がくると思うと感動して涙がじわ~~。

ここで泣くとは・・・でした。




訂正

↑17日でした! 
もはや曜日も日にちもあやしい・・・

おととい!

ぴこさん

私が、幕見した日じゃ、あーりませんか。
あの柵の向こう側に、ぴこさん、いらしたんですね。
2階のおとらさんにビームを送っていたのですが
ぴこさん、柵越しにお会いできたんですね(笑)。

そうそう、子役さんはダブルキャストですね。
Aチームと、Bチームがあって、
19日はAチームだったんですよね。
収録されていたので、こちらがスタメンなのかな(笑)。
でも、私はBチームも、大好きなんです。
味わい深いんですよね~まだ小さな子供なのに。
どっちも、素晴らしい子役さんたちです。

歌六さんの八汐は、とっても憎らしいんですけど、
根っからの悪人ではない感じもして、惑いというか。
そうそう、その後の渡辺外記での大奮闘も素晴らしいですね。

>私が「スパーク」を感じた一つは小槙役の児太郎くんと玉三郎さんの絡みです。

そうです、ここもやっぱりそう思いました。
児太郎さんの気合いを感じました。
玉三郎さんは、沖の井も小槇も、どーんと受け止められて
毎日、育てていらっしゃるんですね。
そうか、そうかー、2人とも政岡予備軍ですね。

そこで泣くとは!素晴らしいっす。

あららら。

ぴこさん

17日でしたか。じゃ、一緒の日じゃないわいなー。
うっしっしー、は無しよ。(バイ欽ちゃん)
プロフィール

桔梗

Author:桔梗
坂東玉三郎さんの 芝居に舞踊に歌唱に舞台演出に 映画監督に朗読に執筆に 歩く姿も潜る姿も後ろ姿も素ッピンも☆☆ すべてに魂を揺さぶられ〜~ 玉さんブラヴォ----ッッッっ!なエブリデイ!

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