お富さんのラストについて、リリスさんに教えていただきました。

昨日、歌舞伎座で拝見したお富さんのラストシーンについて、
どうしても気になって、これまでのことを知りたいなぁと思い
玉さんファン歴40年のリリスさんに、お尋ねしてみました。
「お富さんのいつものラストシーンではなかったんですけど、
なんか気持ち悪くて、モヤモヤしちゃって。今までも、こういうことは
ありましたか?」とメールを送りました。

すると、リリスさんから、
「それが本来のラストなんですよ」と、すぐにお返事が。
おお~~、そそそうなんですか。また目から鱗がボロボロ。
そして、「与話情浮名横櫛」の原作を全部読んでらっしゃるリリスさんが、
「話がややこしいから、電話で話してもいい?」と、すぐにお電話で、
いろいろ教えてくださいました。うー、感動!

原作では、多左衛門がお富の兄だとわかるのは、もっと後の方で、
多左衛門は兄だと明かさずに出かけて行き、そのあと再び様子を見に来た
与三郎が、藤八を縛りあげて、お富と二人で酒盛りをする。
その後、与三郎は多左衛門の店にゆすりに乗り込んでいき…などなど、
いろいろなすったもんだの物語があるのだそうです。歌舞伎では、
当然、上演時間の都合があるので戯曲は大幅に省略されているわけですよね。

「確か、十五代目市村羽左衛門さんの与三郎と、六代目尾上梅幸さんのお富で
原作にそった戯曲の「源氏店」を上演しているはずですよ」と。

ラストシーンについては、「玉三郎さんのお父様の守田勘彌さんが、
本来のラストではどうもってことで、与三郎とお富のシーンを
新たに創られたはずですよ。それを玉三郎さんは、ニザさんとも
菊五郎さんとも、演じてらしたわけですね。今回は、海老蔵さんが与三郎なので
海老蔵さんが習われた本来の形のラストにされたのではないでしょうか」とリリスさん。
ああ~そうだったんですかぁ、なるほどなるほど納得しました。

守田勘彌さんが創られたラストシーンに大感謝!終わり方が気持ちいいです。
最後に心が着地できるというかスッキリと納まりがつくというか。
するとリリスさんが、「守田座という座元という立場からも、いかにお客様を
楽しませるかという視点で、芝居を考えて創られていらしたんですよね」と
13代、14代守田勘彌さんのことについてもいろいろと話してくださいました。
なるほどねぇ~ふむふむ、その守田座のココロは、玉三郎さんにも通じていますね。
さらにリリスさんが、「玉三郎さんのお富が下女(今回は玉朗さん)に対する接し方も、
ほかの役者さんとは違うんですよね」と、これまた深い話をしてくださいました。

ラストシーンについて、いろいろわかってスッキリしました
そして、もっとちゃんと勉強しなくちゃ、歌舞伎の本当のおもしろさはわからないんだなぁ、
という結論にいきつきましたです。マル。 ←マルじゃなくて、勉強しろ。

リリスさん、どうもありがとうございました!

14代目勘彌さんの「木更津見染めの場」が
国立劇場ライブラリーの資料にありました。
明治座 昭和13(1938)年 2月(玉さんはまだ生まれてませんね)

与三郎 / [14代目] 守田 勘弥さん  お富 / [6代目] 中村 福助さん
BM004903.jpg


こちらは、「赤間別荘の場」 何やら色っぽいです。
帝国劇場 昭和2(1927)年 6月

横櫛お富 / [6代目] 尾上 梅幸さん 与三郎 / [15代目] 市村 羽左衛門さん
BM004906.jpg

こちら「歌舞伎見物のお供」に、原作についての解説があります。
http://blog.goo.ne.jp/yokikotokiku/e/872a2222bdaf7531c0257e3806d41eed

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なるほど!

そうなんですか。
玉三郎さん以外は観たことがなかったから、知りませんでした。
この物語がハッピーエンドではない、というのは聞いていましたが、歌舞伎としてのオチがあるのも、また楽しいものです。

でも、今回は本来のラストなんですね。
はい、心して拝見いたします。

初心者マークのファンとファン歴40年の方はさすがに違います。ありがとうございます。

紆余曲折

まるこさん

お富さん、大変な人生でしたね。
流れ流れて、ほんとに海にも流れて。
でも、あの時代を女性が生きていくということ自体が
難儀な時代だったんだですよね、と、しみじみ。

好き勝手に生きていけそうな今の時代、
女は、果たして幸せなのか、どうなのか。
お富さんから、いろんなことを考えさせられますね、楽しいです。

この物語は、ハッピーエンドではないんですよね。
でも、幕の時点では、お富さんにハッピーエンドでいて欲しい、っていう思いが
あるんですよね。その先のことは、知らないけど~って(笑)。
だから勘彌さんが創作された幕のシーンは、最高ですよね。

玉三郎さんを40年間、見続けてこられたファンの方に
お話を聞く時間は、すごく貴重な時間です。
劇場でご覧になられた時のことを、昨日のことのように
みなさん目を輝かせて、お話になられるんですよね。
あんな場面があった、こんな場面があったって、
その表情がとても素敵なんですよね。
玉三郎さんは偉大だなぁって思います。同時に、
玉三郎さんはお幸せだなぁ、ってつくづく思います。
まるこさんと、こうしてお話(やりとり)させていただけることも
貴重な時間です。いつも馬鹿ばっかり言っててすみません。
なんだか殊勝な今日の私です。あははは。

いきなくろべえ

今月の玉三郎さんのコメントに 「源氏店」は春日八郎さんの歌謡曲でヒットした、と書かれてますが

私はこの歌詞 「いきなくろべえみこしのまつ」を
黒平さんとお神輿 と思ってて、オトナの歌は分からんと思ってました、
まさか黒い塀が粋で、そこから見える松の木だとは舞台を見るまで考えてもいませんでした
逆に舞台を見て瞬時に納得したのです

しかもそのお屋敷が高級マンションとは・・・・
色々勉強になりますなぁ

わたしもあのラストには 何故??ナニ??と思ったので
リリス先輩の解説であきらめがつきました

桔梗さん聞いて下さって、教えて下さって、ありがとう

とりあえずご報告

桔梗さん。皆さん。こん☆☆は。

なんか噂されて面はゆいですが(笑)
一応録画で確認したところ、昭和63年12月歌舞伎座での、
團十郎さんとの上演では、今回と同じで「与三郎さん」との
幕切れではなく、お富さんの
「そんならお前はあにさん。知らなかったわいなぁ」
で、ちょん、ちょん、ちょん……… と幕になっていました。
つまり、成田屋さんとの上演では従来通りとなるようです。
思うに、幕切れをどうするかは「与三郎」を演じる役者さんに
合わせていらっしゃるのでしょう。
仁左衛門さんや菊五郎さんは勘弥さんの演出に賛同されて
いらっしゃると言う事ですね。

桔梗さんに話したとおり、玉三郎さんは色々と考えて演じていらっしゃいますよね。
色々と玉三郎さん芸談があるのですが、記憶だけで適当な事をしてはいけませんので、
資料を見返してご報告しますね。

私も・・・

「お富さん」についていろいろ教えてくださって有難うございます。

春日八郎の「お富さん」の歌詞の聞き違い?、ムジコさんと同じくです。ナツメロの番組で何度も春日八郎の「お富さん」は聞いており、おそらく歌詞がテロップで流れていたはずなんですが、それを見た記憶はなく、ずっと「黒兵衛」「神輿の松」、さらに「婀娜な=仇名(ニックネーム)」と思っていました。

それよりも、春日八郎の「お富さん」が本家本元で、歌舞伎の「切られ与三郎」は歌謡曲にインスパイアされてできた演目だと信じて疑わず、初めて歌舞伎の「切られ与三郎」を見たとき、「いやぁ、歌といっしょの筋やんか」と思った覚えがあります。反対だったんですね。歌舞伎をもとに歌詞が作られたのであれば、筋はいっしょになりますよね。「もう、うっかりうっかり!」です。(←まっすぐ彦介・彦美のノリでヨロシクです)

私の初日&千穐楽は18日です。それまでこちらのお座敷でしっかりイメージトレーニングに励みたいと思います。皆様の感想を楽しみにしています。

なるほど

ムジコさん

子供の頃聞いた歌詞の誤解、おもしろいですよね。
確かに、粋な黒べえさんが、松の木の神輿をかついでる、
みたいな図が思い浮かびますね。意味不明だけど。
歌舞伎で、その謎解きがしっかりビジュアルで
見えたわけですね。

源氏店」の冒頭、黒べえの軒先で
藤八が雨宿りするところ、好きなんですよね。
今の住宅は、軒下も建蔽率に含まれるので
その分、家の中を広くしたいからって、
軒下が消えているんだそうです。
昔ながらの情緒が、不要なものとして
消えていってしまっているんですね。
なんだか淋しい話ですね。
火鉢を知らない若者、いっぱいいます。
だから歌舞伎を観るという意味が
これからますます強くなってくる気がしています。

リリスさんに聞いて良かったです。
ムジコさんにも喜んでいただけて。

ありがとうございました!!!

リリスさん

録画で確認してくださったのですか!
ほんとにほんとに、ありがとうございます。
團十郎さんバージョンも、やっぱり今回の終わり方なんですね。
私はやはり、勘彌さんバージョンに賛同しますが
でも、いろんな終わり方があるというのも
歌舞伎らしくていいですね。

>色々と玉三郎さん芸談があるのですが、
 記憶だけで適当な事をしてはいけませんので、
 資料を見返してご報告しますね。

ぜひぜひ、玉三郎さんの芸談を伺いたいです!
リリスさんの引きだしにギッシリ詰まっているお宝情報を
いつでもパッとシェアしていただける幸せに心より感謝いたします。
どうもありがとうございます。また、楽しみにしています。

茶屋の女おとらさん

おとらさん

今月は、歌舞伎座に出ていらっしゃいますね。
切られ与三に出てくる「茶屋の女おとら」。
あ、これ、言いたい、おとらさんに言いたい、って
思っていましたので、コメントくださって
飛んで火にいるおとらさんです(失礼)

春日八郎さんの歌の威力は凄いですね。
歌詞の意味は誤解で覚えていたとしても、音として
ふつう、歌詞をそこまで、覚えてないですよね。
そういう意味でも、名曲ってことなんでしょうね。
おとらさんは、しかも歌舞伎よりも歌が先、ってほど
歌に魅せられてe-420いらしたんですもんね。

>「もう、うっかりうっかり!」です。(←まっすぐ彦介・彦美のノリでヨロシクです)

あー、このギャグは、まだこっちでは聞いたことないです(私だけかな)
知りませんでしたー、もう、うっかりうっかり!←わかってなくてやってる。
本家本元のを聞いてみたいです。

18日にいらっしゃるんですね。
私も、昼の部に参ります。お会いできるかな!
お会いできますように!

「おとらさん」

「おとらさん」が登場するんですね。それはそれは他人とは思えません。見落とさないようにします。

先のコメントは会社のPCからこっそり入れたんですが、春日八郎の「お富さん」って書いたからか、それから私の頭の中は「♪~粋な黒塀、見越しの松に~♪」がリフレインしています。気になって歌詞を調べたら、一番の歌詞の最後が「エーサオー 源氏店(げんやだな)」となっており、「エーサオー」は知ってましたが、その後に「源氏店」が続いていたとは初めて知りました。何て聞こえてたんでしょうね?思い出せませんが。

「うっかりうっかり」のギャグはNHKの「LIFE」というコントの番組の中の、ウッチャンの持ちネタなんです。これ、決めのポーズもあるので、お暇なときにでもご覧くださいませ(検索したら出てきます)。

18日は昼の部で、17日に夜の部を見ます。「牡丹燈籠」はもちろんMUSTなんですが、エビサンの「熊谷」を見るべきか、新宿伊勢丹のクリアランスに行くべきか、迷っています。

最初のお茶屋さんの場面

おとらさん

他人とは思えないでしょー!
お茶屋さんの場面は要チェックです。
「おとらさん」って、声もかけられますから、
「あいよ」ってお返事の準備もしておいてくださいね(笑)。

今もまだ春日八郎さんがリフレインしているでしょうか。
そういうの、ありますよね。頭から離れなくて、ずっと回ってるの。
「エーサオー源氏店」って、しっかり歌舞伎のPR曲ですね。
これ聞いて歌舞伎座に行った人もいるかもですね。
そんなに歌うなら、見てやろうじゃぁないの、って。

「うっかりうっかり」は、うっちゃんの持ちネタなんですね。
あっ、NHKのLIFEって、面白いらしいですね。人気ですね。
今度見てみなくっちゃ。でもって18日にお会いした時に
そのポーズで近づいていかなくちゃー。逃げる?

18日は私も昼の部なので、会ってやってくだせい。
うっちゃんのポーズはやりませんから。
夜の部、私だったらー、
熊谷に行かないで新宿に行くかな―(笑)。
まさにセール真っ最中ですもんね。そういうこっちゃない?

来週の土曜日を楽しみにしております。
プロフィール

桔梗

Author:桔梗
坂東玉三郎さんの 芝居に舞踊に歌唱に舞台演出に 映画監督に朗読に執筆に 歩く姿も潜る姿も後ろ姿も素ッピンも☆☆ すべてに魂を揺さぶられ〜~ 玉さんブラヴォ----ッッッっ!なエブリデイ!

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