「演じるということ」②

明治大学リバティアカデミー「演じるということ」の第二部
玉三郎さんと斉藤教授との対談を、少しずつ書かせていただきます。



今、ストレートプレイ(台詞劇)の興行が少なくなっている。
熱い人生観の人がやらないと表現できない。
斉藤先生が、「今日のテーマは、「生命力」。女性は心配ないけど男子学生の生命力が心配。
玉三郎さんは生命力がないようであるというか、いかにもある、って感じではない」と
おっしゃった時、玉三郎さんが、「ないように見せてる」とおっしゃって(場内笑)
すごく受けてしまいました。おもしろいなぁ~。

内なる生命力とは、「やむにやまれぬ情感のほとばしり」が止まらないこと。
玉三郎さんは、若い時から①人に迷惑をかけないこと②法律で罰せられないこと
だけは守ろうと思っていた。それだけ、パッションが激しかったということ。
「やむにやまれぬ思い」は、「自分に対する悲しみ」「生まれてきた矛盾感」「喪失感」と
「芝居をやりたいという気持ち」。その振幅が大きかった。
ボクは、エネルギーを昇華させる、指導者に恵まれていた。

そこから、昨年の対談で、玉三郎さんが話された
「自分は生まれた時から傷がついていた」という話題になりました。
玉三郎さんは幼稚園より前にそういう思いをされていたそうです。
2歳3歳の頃の記憶が、はっきりとあるそうで、
心地悪い音楽(SP)が流れてきたら泣きだしたそうです。
でもお気に入りの音楽だとノリノリで踊っていたそうで、
ご家族が、「伸坊おもしろいから、音楽かけときな」と言って、いつも
音楽を流していたそうです。でも、夜になるとシンシンと
「なぜ生きてるんだろう」って闇を見ながら思ったそうです。

玉三郎さんが、「なぜ私はここで生きていなければいけないんだろうと
小さい頃から思っていた人はいますか?」と客席に、問いかけられました。
そういう方は、拍手してください、と言われて、私も小さく拍手をしました。
(「なぜ生きてるんだろう」、という感覚ともまた違うのですが、私は、
4歳の頃、夜になると「わたしって、なに?」という思いでいっぱいになって、
何回も何回も「わたしってなに?わたしって、なに?」と呪文のように
心の中で唱え続けた記憶があるんです。自分がそこにいることが
不思議で仕方なかったんですよね。唱えているうちに、
自分を上から眺めている感覚になって(怖いよ)、自分を見つめながら
「あれが私なの?」と思ったところで儀式が終わるという変な遊び(自分にとっては)
をやっていました。それが、いつも夜で、ソファのレースを見つめて「わたしって、なに?」、
というのが決まり事でした(笑)。変な子ども。恥ずかしくて、
誰にも言わずにいたこの体験を、まさか、玉三郎さんの対談で
鮮烈に思い出すなんて。でも、ちょっとホッとしました。

斉藤先生が、小さい頃そうだと芸術家の魂をお持ちなんでしょうか?というと
玉三郎さんは「とは、かぎらない」(笑)。斉藤先生が、「単なる不幸ですね」と(笑)。

玉三郎さんは、子供の頃、親にずっと出かけないでいて欲しいという思いが
激しい子供だった。でも、お気に入りの音楽が鳴ると踊り出していたそうです(笑)。
楽しんでいても、ふっと憂鬱な気分になったり。トンデル子供だった。
それが何歳くらいまで続いていたのですか?と斉藤先生が尋ねると、
「40歳で、少し楽になった」とおっしゃいました。
40歳まで!斉藤先生が、びっくりされて。深いものだったんですね、と。
若い頃は大変だった。自分の中で一喜一憂だった。でも、
トンデルところがあるから助かった。今は、あきらめられるようになった。



玉三郎さんの感受性は、すごいですね。小さい頃のお話を聞くにつけ、
普通の人とは、すでに違っていたんだな、とつくづく感じます。
そして、その感受性を摘みとることなく、柔らかなまま大切に育てられた親御さんが
これまたスゴイなあ、とつくづく思います。ご家族もノリが良くってトンデタんですね。
お気に入りの音楽でノリノリで踊っていた3才の頃の伸坊に、会ってみたかったなぁ。
でも大人になった伸坊の踊りを拝見できて、本当にハッピーです。

少しといいつつ、長くなっちゃいました。
まだ、つづく。

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つづくって、嬉しいです。

有ることを無いようにみせる。
まさに玉三郎さまの芸では、ないでしょうか?
努力が有るのに、無いように
配慮が有るのに、無いように
書き出したら、きりがないです。

ご講演での、お話たのしみにしています。

きりがない。

ちょんぱさん

極意ですね。有ることを、無いように。
さらに無いことも、有るように。
夢の世界を見せてくださいますね。
スッゲー!の連続。歩く、スッゲー!ですよ。
玉三郎さんみたいな方は、いません。

明治大学の講演会は、そういう意味でも
すごく貴重な時間でした。
あんな風に、ご自分のことを話してくださるなんて。
お気に入りの音楽にノリノリで踊っていた、って
おっしゃった時は、身体をゆらゆらとノリノリに揺らしていらして
その様子から、幼い頃の伸坊を彷彿としました。
ご家族は、見ていて楽しかったはずですよね。
闇に怯えながらも、、
実は、すごーく陽気な伸坊だったんだろうなぁ、って。

ほんとに、きりがないですね。

尽きることなし^^

どこまでも、いつまでも、玉三郎さんの魅力は尽きることがありません。
深~~~~くて、心地よくて。^^

増量してますわ。

まるこさん

尽きませんね。ほんとに、底なし湖。
もっともっと、玉三郎さんの深みにはまらないと、ねー。
プロフィール

桔梗

Author:桔梗
坂東玉三郎さんの 芝居に舞踊に歌唱に舞台演出に 映画監督に朗読に執筆に 歩く姿も潜る姿も後ろ姿も素ッピンも☆☆ すべてに魂を揺さぶられ〜~ 玉さんブラヴォ----ッッッっ!なエブリデイ!

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