「演じるということ」①

今週8日(月)、明治大学リバティアカデミーで開催された
玉三郎さんの公開講座「演じるということ」を聴講して参りました。

今年で3回目ということで、これまでの講演を踏まえて
さらに講義内容が深化していて、自分にとって大変為になりました。

開口一番、玉三郎さんが、
「これまで学生の皆さんがいつも遠慮して後ろの方の席にいるので
今回は学生さんが一番前の方で聞けるように学校に頼みました」とおっしゃいました。
確かに、今まで学生さんは1階席後方か2階席に沢山座っていらしたので、
学生さんとなるべく近くでコミュニケーションをとれるように、と
そうしたお心配りが、玉三郎さんらしいですね。
座席にはクルッとひっくり返すタイプのテーブルがついていて、そこにノートを出して、
玉三郎さんのお話を、熱心にノートに書きとめている学生さんが沢山いらっしゃいました。
質問コーナーでも、この距離が大事なのだな、ということがよくわかりました。

第一部は、玉三郎さんの講演と、学生さんとの質疑応答。
講演が終わってメモを殴り書きしていたら、リリスさんに、「テーブル使えばいいじゃない」と
言っていただき、私も、学生さんの真似をして、テーブルを出して書きました(喜んでる)
印象的だったことを記したいと思います。正確ではないかもしれませんがお許しください。



今は、何でも数字(データ)で、ことが進む時代。人と人との関係も
データで量られるようになって、イメージを持てない時代になってしまった。
イメージは、データで伝えることはできない。

昔は、シネマスコープという曲面になっている大きなスクリーンで
映画を観ることができた。「風と共に去りぬ」を観て感動して、
1週間くらいボーっとしていた。人間が一生懸命に生きている姿を、
大画面やいい音響で感じることができた。
液晶の小さな画面では、映画の中の「砂漠」を感じることはできない。

今は豊かになり、不便がなく、食べ物にも不自由のない時代。
「生きていかなくては」という思いが薄れている。
生命力が熱いほど、芸術にふれた時、自分の生命力と同じ力で作品が迫ってくるもの。
精神を燃やしながら生きていく、ということが昔に比べてフラットになっている。

小さな液晶にも飽きてきている。30~50名位の小さな劇場で、パフォーマンスを観るという
スタイルが増えてきている。小さな空間で人に会う、という機会が増えていて希望がもてる。

学生さんの質問①
「夜になると叫びたくなる。現代の病なのでしょうか?」

玉三郎さんの答え
「ボクは夜じゃなくても叫びたくなる(場内笑)。
叫ぶかわりに舞台の力にしていった。
どうして叫びたいのか、自分を分解してみたらどうか。
芸術は、自分のやむにやまれない思いを
ひとつずつ解明していくところからできていく。
なぜ叫びたいのか、それを今日から文字にしてみたら
いいのではないか。今、叫んでみます?マイクははずして。(場内笑)」

学生さんの質問②
「舞台で演じるとき、お客さんがいろんな解釈ができるように演じているのですか、
ひとつ筋の通った気持ちを伝えようとして、演じているのですか?」

玉三郎さんの答え
「劇作家の魂を伝えることが軸になっている。それから先、いろいろに
解釈するのはお客様の自由。「天守物語」でいうと、純粋な愛を伝える
のだけど、お客様の人生によって、自由に解釈できた方がよりきらびやか。
100%表現したいものが10%しか伝わらなくてもあとの90%を観ている人が
楽しめたら、それは芸術なのではないか」

学生さんの質問③ 中国からの交換留学生の方。
「NHKの番組で、明日のことだけを考えて、未来は見ないと、
おっしゃっていましたが、明後日のことはどうなるのでしょうか。
それから舞台の登場の前に緊張したらどうするんですか?」

玉三郎さんの答え
「緊張感はコントロールできない。できることは、緊張していない
ように嘘をつくことだけ。今日と明日を精いっぱい生きなくては、
明後日はない、ということ。10年後を心配するより、
今日と明日を精いっぱい生きなくては未来は遠くなる。未来のために
足元を見るということだと思う」



データとイメージのお話が、心に刺さりました。
社会のシステムそのものが、子供の頃の偏差値重視の先にあって、
効率最優先のマーケティングばかりで、息苦しい世の中だなと思います。
コンビニのレジで、お客さんを見て、見た目年齢など顧客情報などの
データを入力しているといいますが、海の家でも今では、
そんな風にデータを把握しているというお話をしてくだいました。
人間のイマ―ジネーションが置いてけぼりになっちゃってる気がします。

小さな空間でのパフォーマンスが風潮になっていることを初めて知りました。
自分でも、そういう機会が最近あったので、なるほど、と思いました。
タップダンスのスタジオで20名抽選のライブに行った時、パフォーマーの方があえて、
「抽選で落ちた人が沢山いるので、動画を撮影してネットにアップしても、いいですよ」と
おっしゃったんですね。でも、皆、食い入るようにタップを見つめて、撮影はしませんでした。

「生命力が熱いほど、芸術にふれた時、自分の生命力と同じ力で作品が迫ってくるもの」
という言葉が、強く心に残りました。ああぁ、そういうことなのか!っと。

学生の皆さんの質問が、良かったです。そして玉三郎さんは、学生さんたちが、
とまどいながら質問されている時に、「よくわかります、理解できます」と、
丁寧に、優しく受け止められていて、そのやりとりに心和みました。
「ボクは夜じゃなくても叫びたくなります」とすぐに応えられたときは感動しました。
いい先生だなぁ!って。玉さんの、そういうとこが好きなんだよなぁって(聞いてない?)

第二部へと、つづく。

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待ってました!

桔梗さん、首長恐竜なって待ってましたのよ。^^

猛うさも喜びの叫び。「うぉ~~~~!!!」
今は昼間です。(笑)

叫ぶ?!

昨日、打男の公演に行ってきました。

浅草公会堂の1Fでは鼓童の紹介?と、今公演出演者の紹介
(一人づつ写真・鼓童に入るきっかけの直筆コメント・手形付き)
で、小田さんのコメントが“叫びたかった”“やりたい”と素直に思った。
だったので、叫ぶ繋がりでコメしちゃいました。

今回出演はされてないんですが、ス-ツ姿の見留さんが鼓童の紹介VTR
のコ-ナ-で、“個人の名前をだして良いかわかりませんが、
研修所は小田にとっては更正施設でもあった。今では中心メンバーの一人”と
ユ-モアを交えて説明していらっしゃいました。
公演の感想じゃなくてスミマセン。

玉三郎さんの学生さんにたいする配慮とファンの方へちゃんと説明する
心使いはさすが!!

雄叫び~

まるこさん

待っててくださったんですね、
書いて良かったー。

玉三郎さんは、
学生さんたちが委縮しないように
笑わせてくださってました。
というか、それも素なのかな、
とも思いましたが(笑)。

まるこさんの雄叫びは
お三味線の響きとなって、ベンベンベンーギャー!

そうそうそう!

アユムさん

こんばんは。
さっそく鼓童のレポを、ありがとうございます。

昨日、「打男」にいらしたんですね。
私も、今日、行ってきました。
一階のロビーの展示、おもしろかったですね。
じっくり拝見しました。手形も合わせてみたりして。
小田さんの「叫ぶ」を読んで、らしいなぁ、と思いつつ
素直になれてヨカッタですね、と。
鼓童で人生が変わりましたね。玉さんにも出逢って!

私も、見留さんの研修所紹介に参加しちゃいました。
見留さんが会場に立っていらして、ニコニコされていて
そのお顔を見たら、そのまま席に座ってしまいました(笑)。
「アマテラス」でも「打男」でも見留さんを拝見できず、
淋しさを感じておりましたので、嬉しかったです。
今日は、小田さんのお話は出なかったですよ。
それにしても面白いことおっしゃいますね。
昔は、スサノオを地でいってた小田さん?(笑)。

見留さんは、最初は静かに語っていらして、だんだん
テンションが上がってくると声が1オクターブくらい高くなって
大きな声になって、顔もゆるんで、
見ていて楽しかったです。

研修生の小春さんという可愛い女性が
研修所での実体験をお話ししてくださいました。
彼女は、昨年、ECに行った時、案内役で会場にいらして
いろいろお世話になっていたので、おーっ!と。
携帯もテレビもない生活で、虫の声や鳥の声、
ふだん聴くことのできない音を聴くことができて
発見することばかりだった、っておっしゃってました。
今のこの時代に、そういう環境に飛び込むのは
冒険でもありますが、得るものは大きいでしょうね。
研修所に入るわけでもないけど、紹介コーナーに行って
楽しいひとときを過ごさせていただきました。

もちろん演奏も!すごかった!
アユムさん、遠征されて良かったですね。

「感じるということ」?

桔梗さん。
「演じるということ」の記事待ってました〜っつ!!!!!
臨場感あふれる文面を読んで、公開講座のときの感動が蘇ってきます。

今回は学生席が大きく確保されていて、これが玉三郎さんの強いご要望という事を伺って感動しました。
そもそも「大学の公開講座」なのだし、より感受性の強い若いときに貴重なお話を拝聴できる学生さん達はとっても幸せなんだろうな、と感じました。(感受性を強く保ちたい⤴したいとは日々思ってはおりますが…😅)

学生さんが皆とてもいい質問をして下さり、しかも戸惑いながらも一生懸命伝えようとする姿にとても感動しました。
また、その姿を真剣にかつ大変温かい眼力で見つめられ、
絶妙なタイミングで「よくわかります、理解できます」とお応えするやりとりに、
ここにいる幸せを噛み締めました。

データとイメージのお話は、私も心に突き刺さりました。
データは数値化されているので、正確だし大切なコトではありますが、
物事の質感やあたたかみ、空間など本当に心揺さぶられる感動を伝える与えるにはイメージが本当に大切なんだな、と痛感しました。

>「生命力が熱いほど、芸術にふれた時、自分の生命力と同じ力で作品が迫ってくるもの」
は特に次の日に痛感しました。
次の日にシネマ歌舞伎と上村松園特別展を観てきましたが、美しいだけでなく目の前に強い生命力が迫ってくるようにヒシヒシと感じるものがありました。
(私は「春芳」「牡丹雪」が好きです)
また映画「セッション」も観てきたのですが、
火花散るほどの生命力、ジャズドラムを通じた教師と生徒の銃弾のない戦争。
心に突き刺す感動と高揚感、目に迫る迫力、耳に絶え間なく突き刺すリズムと時たま響く不快音、そして体に感じる振動。
これは大画面でないと伝わらないと声を大にして感じました。
(因みに「シネマスコープ」画面でした)

また、今回公開講座のあと、
お座敷の皆様とお酒とお料理を食しながら、いろいろお話できたことが、とっても嬉しかったです。
お声かけ下さり、大変ありがとうございました!!!!!

では、第二部も楽しみにしてます!!!!!

打男

ブログ主様がご参加だと、レポートのプレッシャーはないので、のんびりしています。
詳細なレポート、どうもありがとうございます。
思い出しつつ、ゆるゆるコメントしたいと思いますが、まずは、「打男」から。

昨日、浅草公会堂の「打男」楽日に行きました。
楽しかったです。
初演の「打男」とだいぶ変わっていましたね。

帰宅して、「打男」DVDを見てみたら、照明とか、衣装とか、省略されましたかね。
演奏は変わらず、迫力がありました。
メンバーが増えて、若い人がたくさん加わっていました。
やはり、おなじみの坂本さん、石塚さん、小田さんはすばらしいと思いました。
見留さんがおられないのが、残念。

前田さんのチャッパ、ものすごくきれいな音でした。腕前もさることながら、楽器も上等なんでしょう。

客席は自分も含めてわりと高齢傾向、とくに鼓童ファン集結という風でもなく、そのままお芝居が始まってもよさそうな感じ。
カーテンコールはわりとあっさりしていました。
玉三郎さんはお見えにならず。残念。

ロビーのメンバー紹介展示では、写真撮影OKだったので、石塚充さんのを撮影。親御さんが囃子方で、子供の頃、歌舞伎座で演奏されたことがあるんだとか。

まさに「感じるということ」!

はむぴょんさん

公開講座のときは、お会いできて、
いろいろお話できて楽しかったです。

>より感受性の強い若いときに貴重なお話を拝聴できる学生さん達は
 とっても幸せなんだろうな、と感じました。

私も、同じように思っていました。
自分も、学生の頃に、玉三郎さんの講演に出逢っていたら
どうなっていたんだろうな。出逢いたかったな、って。
今の枯渇しつつある感受性ですが、でも、ビンビンと
響くことばかりでした。
おっしゃるように、「演じること」は、「感じること」。
また「観劇すること」も、「感じること」ですね。

今の世の中が、データ、データで、果たして数字が正確か、というと
人間にとっては正確じゃないな、と思っています。
もちろんデータも活用するべきですが、もっと人間のイマジネーションを
信じたり、発展させていく教育がなされるべきな気がします。
バランスが悪い時代になってしまっていましたよね。

次の日、松園展にもいらしたんですね。
>私は「春芳」「牡丹雪」が好きです。
いいですよね~うっとり。

「セッション」も見たい映画なんです。
まだやってるんですね。
シネマスコープで見たいです。行かなくちゃ。

帰りに一杯、みなさんで乾杯できて
楽しかったですね。
はむぴょんさんが参加してくださって
こちらこそ、ありがとうございました。

コメントも、どうもありがとうございました!

プレッシャー!

京にんじんさん

いつも、ホントに、頼りにしちゃって
すみませんです~。プレッシャー!かけまくりで(笑)。

「打男」楽日に参戦されたのですよね。
オープニングの、あの打男テーマソングを聞いて、
あー、懐かしいなあ、って、世界に浸ってしまいました。
あの曲(最初は竹ものでやった)、今回は木琴で
とてもいい曲だな、としみじみしました。

最初から幕が開いているところも同じで
今回は、「カデン」の太鼓の並びになっていて
おーっ、太鼓の並びそのものがアートしてるなあ、カッコいいなー、と眺めました。
左に11個、右に9個(たぶん)の太鼓がぐるっと並んでいて
あの種類の豊富さが、今の打男を物語っているなあ、って。

そして、演奏も、凄かった!鳥肌が立ちました。
坂本さんの技に、驚愕しました。
あの手の動き、なんなんだー!早過ぎ。

そして、照明がめちゃくちゃキレイでした。
二階から眺めていたので、よく見えました。
太鼓はやっぱり二階からがいいなぁと堪能しました。

前田さんのチャッパが繊細で、透明で、美しい音。
演奏している姿も、またヨシでしたね。

若い方たちがいっぱい増えていて、
おばちゃん、ついていけないよーって(悲鳴)
でも、一階ロビーの写真とお名前と手形をしっかり
記憶にやきつけてきました。
ECで案内の係りをされていたレオ涼太郎さんが
舞台に立たれていてびっくりしました。
まだ研修所を卒業したてのホヤホヤですよね。
昨年の夏に、会場の神社でお話ししたことを想い出しながら
立派に準メンバーになられている姿に感動しました。
これから応援していかなくちゃって。
ECって、そういう楽しさもあるんですね。

14日のお客は、割とお若い方も沢山いらっしゃいました。
あと、ちびっこがいっぱいいて、大受けして観てましたよ。
面白いシーンでゲラゲラ笑っていて、その声で
こちらもゲラゲラ笑ってしまいました。楽しかったです。

あっと言う間の6日間でしたね。
初日にいったKちゃんから、カーテンコールで
玉三郎さんが登場されたよ!と聞いていたので
私も、楽しみにしていたのですが登場されませんでした。
きっとお忙しいんだろうな、と思いつつ、
かなりしょんぼりして帰ってきました(笑)。

でも、7月がもうすぐですからね!
梅雨に負けないように、がんばりましょー。
エイエイオー!
プロフィール

桔梗

Author:桔梗
坂東玉三郎さんの 芝居に舞踊に歌唱に舞台演出に 映画監督に朗読に執筆に 歩く姿も潜る姿も後ろ姿も素ッピンも☆☆ すべてに魂を揺さぶられ〜~ 玉さんブラヴォ----ッッッっ!なエブリデイ!

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