「赤坂は、ここ岩亀楼ぉ~」

「ふるあめりかに袖はぬらさじ」の初日に行って参りました。

幕が5㎝くらい上がったところで、びっくりしたんです。
そこに畳が見えたからなのです。「えっ、畳っ!」
行燈部屋の、あまりの近さに。

お園さんが登場して、亀遊さんの隣に座ったとき
私は前から2列目だったのですが、お二人との距離が、
八千代座くらいの近さに感じられました。ちちちかい。
お園さんの息づかいが伝わるようでした。

そういえば、玉三郎さんがインタビューで
Actシアターはその特徴から、なるべくお客様に近いところで
お芝居ができるような舞台創りにしたい、
と語っていらっしゃったのを思い出しました。
なるほど、こういうことなのかー!新しいですね。

行燈部屋で寝込んでいる檀れい亀遊さんは、
見るからに「具合が悪そう」なんですよ。
儚いとかいうのではなくて、
かなり弱っているんだな、と感じられて
それが、自然でいいんですよね。

そのせいからなのか、二人の対話を聞いていて
私自身、お園さんの優しさが身に沁みちゃって。

「病気になると運の悪さが骨の髄までしみこむような気がするものよ」
と嘆く亀遊さんに、お園さんが、
「そんな気の滅入るようなことを言っちゃいけませんよ、おいらん。
私に出会ったじゃありませんか」と言うんですよね。
この「私に出会ったじゃありませんか」の一言が
もう、ハートにズキューンときちゃって
思いもかけず涙が出てきてしまったんです。
何ともシンプルで、優しい言葉ですよね。
今まで、第一幕で笑ったことはあっても
泣いたことはなかったのに。なぜなんでしょう。
私の中の初めての出来事でした。

お園さんのこの優しさ、
「私は、あなたのこと、わかってるんだから」という
亀遊さんへの愛情が根底にあるからこそ、
話がどんどん膨らんでいって亀遊さんのあることないことを
お園さんがでっちあげても、けっして嫌な感じはなくて
笑いや涙になっていくのだなあとあらためて思えました。

人間の情って、何とも言えず繊細で深いものですね。

お座敷でも、お園さんのおしゃべりは全開でした。
お園さんを見ていると、人間は苦労をした方が
魅力的になれるのかな、と。
まあ、その苦労を、栄養とするか、負い目とするか
それもその人次第なんですね。
玉三郎さんがおっしゃっていましたね。

海も、きれいでした。夕景も。
照明の位置が前の方にあるので、陽のあたり方が
また違うように感じられました。

あと、亀遊さんは
お座敷で藤吉どんに逢わなければ、
きっと死んではいなかったのでしょう、と思いました。
単に恋が叶わないから死んだ、のではなくて、
花魁の姿でイリウスに乞われているところを恋しい人に見られてしまって
あまりにやるせなくて、その衝動だけで死んでしまったのではないか、
ということも、感じました。
お園さんが言うように、なんで駆け落ちしなかったんだい、って
思っちゃいましたね。

今回はパンフレットも赤坂版で新しくなっています。
面白いな、と思ったのは、出演者の方全員に
「今、いちばん行ってみたい国はどこですか?」という質問が
されており、みなさん、答えていらっしゃるんですけど
その答えに、その役者さんの一面が感じられて楽しいです。
なぜ、この質問になったのかな。藤吉どんみたいに
海外に行くとしたら、ってことですかね。関係ないか。
でも、その唐突な質問が面白いです。

あと、玉三郎さんおすすめのすぐれもの
佐渡の椿油「SADO」が、劇場内で販売されていました。
はるばる佐渡から、やってきてくれたんですね。
私も使っていますけど、すごく気に入っています。
こちらで詳細を
http://banbanzai777.blog76.fc2.com/blog-date-20110509.html

舞台写真はポストカード5枚セットで
2タイプありましたよ。

当日券も出ていたように思います。
赤坂の岩亀楼に、ぜひとも行ってみてください。

プロフィール

桔梗

Author:桔梗
坂東玉三郎さんの 芝居に舞踊に歌唱に舞台演出に 映画監督に朗読に執筆に 歩く姿も潜る姿も後ろ姿も素ッピンも☆☆ すべてに魂を揺さぶられ〜~ 玉さんブラヴォ----ッッッっ!なエブリデイ!

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