修行ができない時代@チャリティトークショー〈後半〉

16日に南座で行われたチャリティトークショーの後半です。
節電からスローライフ、そして玉三郎さんの芸道の話しへと繋がり
とても奥深いお話を聞くことができました。
マークは玉三郎さんの発言、マークは、私の感想です。

海外のアーティストとの共演について

ヨーヨーマは、あんなに世界的なチェリストでありながら
「あなたは自分の国のものができていいね」、と言う。
それは、彼がフランス生まれでフランス語と英語しか話さない中国人のため。
オーケストラの中でスターであるからこそ、いつも
何を着て行くか、マエストロよりもいいものは着ない、
いい車は乗らない、と、気にする。「あなたはいいね。幸せだね」、と
言われるので玉さんが、「でも、いいんじゃない、好きな音楽がやれて
いるのだから」と話したら、それで楽になった、と。

超一流の芸術家ゆえの苦悩。母国で活躍していても
きっと想像を絶するご苦労をされたであろう玉三郎さんの、
すべてを理解し、ヨーヨーマさんを救う言葉だったのですね。
うぉーん、なぜか泣けてきちゃう。

HPの今月のことばで、
「ゆっくり考えながら、地に足をつけて歩んで行くことが大事」とありました。
何年か立つと変わる人が多いなかで、玉三郎さん何年はたっても変わらない。


修行が出来なくなった、とすごく思っている。毎日、毎日お稽古して、
「て」が「てんてんてん」となるまでに何年もかかるということが
ファーストフードや必要のない明るさ、コインで何でも出てきたり 
お弁当は親達が作るんじゃなくてアルものでそれを食べてたら、
自分たちでじっくり作るって観念が無くなると思う。
それを食べてることが悪いと言ってるのではなくて
そうじゃない生活があるんだということを知ったらいい。

自慢じゃないけど、TVつけっぱなしってことはしない
小さい時に、ディズニーワールドとチロリン村とクルミの木くらいは見た
ビデオが出来てから、僕はTVに選ばれない、僕がTVを選ぶ、って決めた。
ほとんどオンエアでみない。電気も十数年前から消して歩いている。

深いですけど、どーですか。(と獅童さんへ)

深いですね。僕はファーストフード大好き。わくわくした。
ポテトの香りとか。朝、ファーストフードを食べているところを、
玉三郎さんに見られた。「今日から禁止!」と。
次の日からホテルでおにぎり作ってもらった。

あれが戦略なのよ。小さい頃から洗脳しようと。

常日頃から玉三郎さんがおっしゃっているスローライフは
修行や芸事に直結していたのだ、と、地に足をつけて歩んでゆくことの大切さを
とても具体的に理解することができました。便利な機器を手にして、
何でも手短に「軽く済ませる」生活習慣が、実は危機をもたらしているのですね。

時間をかけてやることは大事だけど、うまくいかないことも多い。
我慢して結果をだすことの我慢がしにくくなっている。
どうやって、そこのとことを超えていくんですか


こだわりだけです。父がしょっちゅう言ってたのは他人がいいって
言ってくれても自分のこだわりが達成しない限りは納得してはいけない、と。
時間をかけてゆっくりやって失敗しても納得できる。
誰かのせいにしないで、俺がいけなかったんだって思える。
僕はやんなさいと言われてずーっとやってきたので小さい頃から
時間をかけようなんて思ってなかった。でも40過ぎてみると
時間がかかったものしか、みなさんに見ていただくものは
無かったってことがわかった。偶然でヒットすることはあっても
続かないってことがよくわかった。

時間のかかったものを時間がかかってなかったみたいな顔をして
お見せするのが一番いいんじゃないか(拍手)苦労が見えたら面白くない。

「誰かのせいにしないで、俺がいけなかったんだって思える」
と、ズバッと言い切った時の玉三郎さん、ザ男!でした。
でも、そのすぐ後で「僕は……」と静かにおっしゃった、その話し振りの違いが
とても印象的。俺、僕、わたし、、、いろんな顔の玉さんがいます。

玉三郎さんのこだわりは蜃気楼みたいなんですよね。
あ、到達したな、と思うと、もう、その目標は違うとこにいってる
つまり現状に満足してはいけない。


そこに花があると、花に手がふれると向こうになにがあるのかなと思っちゃう。
これは絶対やりたいんだ、っていう点の目標がいっぱいある。
向こうのやりたい点ってのもあるんだけどできないときに
ちゃんと自分で理由をつけてこうだから向こうへ行けないんだ。
近くのこの点から行くんだ、と。で、パッと飛べたときに、飛べたじゃん、と。
でも行っても難しいときは戻る、それが僕にとってのゆっくり。
目標に到達するとスランプがきちゃう。次なにしていいかわかなくなる。
だからいつも手の届かない目標を遥かにもっている。次の夢を追い求めている。

歌舞伎、昆劇、演出、歌唱、、、。なるほどなあ、
そういう風に目標を設定して、次々とクリアしているのか、と感動。
そのいずれもが最高の完成度に到達している玉さんは超人ですね。

妖怪ばっかりやってる人に、人生ゆっくりよ、と言われても
いや、そうですかあって。昔は365日舞台に立つのが好きだった方が
なぜスローな生き方に変わってきたんですか。


やっぱり年齢がきて、身体がきかなくなったってことがある。
そうすると、熟慮したものしかできないってなる。
45くらいのときから、休みをとるようになった。
一番はじめ70日間仕事をなにもしないでとう休みがあったら
見えてくるものがあった。止まっていいんだ、と。

いいものと悪いものしか見えなかったのが
もっといろいろなことが見えてくるようになった。
休みをとるようになって闇を知ったり自然を知ったり
潜ってるときは何も考えない。
自然の中にいれさせてもらうってことで身を以てわかった。

40代の頃の玉三郎さんの映像を拝見すると、素顔の顔つきが
まるで今とは違う印象を受けます。海に潜ったり、自然の中に入ることで
大らかさ、穏やかさ、そんな玉三郎さんの魅力が、年々、グッと増幅して
いる気がします。”身体がきかなくなったこと”はけしてマイナスばかりでは
ないのですね。これからの玉三郎さんがますます楽しみであります。




プロフィール

桔梗

Author:桔梗
坂東玉三郎さんの 芝居に舞踊に歌唱に舞台演出に 映画監督に朗読に執筆に 歩く姿も潜る姿も後ろ姿も素ッピンも☆☆ すべてに魂を揺さぶられ〜~ 玉さんブラヴォ----ッッッっ!なエブリデイ!

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