「蓮絲恋慕曼荼羅」鑑賞

国立劇場で文楽を観た帰りに、
せっかくだから玉三郎さんの映像を観てから
帰ろっかなー、と思い、同じ建物内にある
視聴覚室に立ち寄りました。

さて、何を観ようかなぁ~、そうだ!
久しぶりに(というか公演以来初めて)

初瀬と豊寿丸の「蓮絲恋慕曼荼羅」


を観たいな、と、係の方に尋ねると
「はい、ありますよ」とお返事が。おーっ、やった。
「ただ、今日は早くに閉館してしまうので
あと1時間でいいのでしたら」とのこと。

さっそくビデオを借りて、視聴覚室へ。
今日はワンルームではなく、仕切りのある大部屋でした。
(ワンルームでの「曾我綉侠御所染」鑑賞体験はこちらです。)

心優しい初瀬と、わがまま放題の豊寿丸のやりとり、
あー懐かしいなあ、そうだった、そうだった、
こういう照明で、シンプルな仕切りだけで。。。

初瀬が、いじわるな継母の照夜の前に打たれ、
叩かれる場面では、「こんなに激しかったっけ」と
あらためて、驚いてしまいました。

「蓮華糸恋曼荼羅」の思い出に浸りながら、
ふと気がつけば、時間があと15分しかありません。
エーッツ、最後まで観たいなー、と
あわてて早送りで、ジャーッジャーッと後半を
観ていきました。すると、発見が。

早送りにすると、だいたいの役者さん達の動きが
チャカチャカと手足がバラついた動きで思わず
おちゃらけて見えて笑ってしまったのですが

玉三郎さんだけは、動きがぶれないのです。
スーッと1本、身体に芯が通っているというのか。
早送りでも、美しいのですよ。「うぉ~」、唸りました。

早送りだからこそ、より動線がハッキリ明快に
映し出されるのかもしれませんね。発見なり。
時間の無いおかげで、いいものを見せていただきました。

ビデオには、3回のカーテンコールまでしっかりと
収められておりました。ブラヴォー!

国立劇場にいらしたら、視聴覚室での
「蓮絲恋慕曼荼羅」鑑賞(時折、早送り)、ぜひおすすめです!

恐怖の「時鳥の部屋及び奥庭の場 」体験。

先日行った国立劇場3階の映像ライブラリーで
昭和42年12月に上演された「曾我綉侠御所染」の3幕目
「時鳥の部屋及び奥庭の場 」をビデオ鑑賞してきました

玉さんは、序幕第二場「名取川の場 」では巡礼娘おすて
また四幕目 第二場「五条坂仲之町立花屋奥座敷庭前の場」では時鳥の霊でも
ご出演ですが、今回は、時間が無かったので3幕目のみ拝見。

今から43年前の映像ですが、最初だけ少し砂嵐
あとは意外にキレイな映像。もちろん白黒です。

幕が開くと、時鳥の部屋の御簾がパタパタと上がって
中央で、時鳥が突っ伏してうたた寝をしています。
小さな小さな顔を上げると、すでに左の目には悪瘡が。
あららら、すでに、百合の方から毒薬を飲まされちゃった後ですね。

時鳥が、両脇の胡蝶に
「おお,胡蝶、まだここにいやったんかいなあ~」と
言うその声は、確かに玉さんの声。
しかし細いな~~華奢だな~儚気だな~~。

可愛い胡蝶が
「お前が泣いていやしゃんすと、どうやら私も悲しいようで
涙が出てなりませんわいなああ」と、共に嘆いて

笛を吹く時鳥。あーその細くて長い指も、確かに玉さんだあ。
でもお化粧はやっぱり今と、まったく違います。
アイラインがボテッとして、まだ慣れていない感じ。
でも、そこが可愛い~。

そこへ、ドロドロ太鼓と共に幽霊になった医者がセリ上がって
薬を渡します。時鳥は何の疑いも持たず、すぐに薬を飲むと
途端に悪瘡は綺麗さっぱり消えて,美しいお顔に戻ります。
鏡を見て喜ぶ,時鳥。ア~良かった!
しかし、その美しい姿もここまで、です

百合の方の召使い2人がやってきて、
「みそこのないの時鳥、観念しぃやぁ~」そして
花道から百合の方登場、と同時に、ゴーーーーーンと鐘の音。
まさに、なぶり殺しのゴングが鳴り響き、
地獄の底へ、時鳥は、じわりじわりと追いつめられていくのです。

いきなり百合の方にガシッと押えつけられて、時鳥は
「ひえ~~~~ひぃひぃひぃひぃ」身悶えしながら
逃げようとするのに逃げられず
「うぉ~~~~ン」と這いずり回ると、、、
後ろから百合の方が時鳥の髪の毛をムンギュッと掴んで
ぐしゃぐしゃグリグリグリーッと引き倒してしまいます。
このグリグリがハンパじゃないんです

さらに細いピンのようなキセルで時鳥の頬を
ピシッピシッと小突くのです。
時鳥は、「ひゃあああああああ」と声になりません。
口でその細いキセルをくわえて抵抗したら今度は
右肩をシャーッッと刀で斬りつけられて、、、、
ふらふらの時鳥に、百合の方がナイフを振りかざして
太ももを刺す。「きゃああああああ」。
海老ぞりになってもんどりうつ時鳥の顔にナイフが
「ひゃあああああ」さらに髪をひっぱって引きずり回して、、、
ともう、これでもか、これでもか、これでもか、これでもか~。

時鳥は、台詞のほととんどが言葉にならない
実にさまざまな悲鳴の連続なんですが
それが真に迫っていて、本当に怖いから出ているリアルさで、
こちらも、ひゃあああ、と一緒に叫びたい心境。

そして最後に時鳥が、美しいソプラノの声を振り絞って
「なぜ、殺してはくださりません。一人の手にも足らぬもの。
なぶり殺しは恨めしい~~~~」と言うと
百合の方は、目を吊り上げて
「時鳥~ほんにそなたは幸せ者~~」と言いながら
最後に胸をひとつき。池の中に放りこんでしまいます

そして
「見や、息があるかして、まだ動いている、オフフホホホホぉ~」
と高笑いするのですよ。
もうーーーー百合の方めええ、、
怖いやら憎々しいやら、恨めしいやら、どうしてくれよ~~。
しかし勘弥さん、よくもまあここまで、
憎たらしいこと憎たらしいこと。
やっぱり親子でなければここまで遠慮なく
極悪非道ぶりは発揮出来なかったんじゃないかなあ。
なぶり殺しとは、これほどまでのことだったのかあ、と
想像を遥かに超えておりました。あー疲れた。

手に汗かいて、額に汗して、部屋から出ると
担当の女性がにっこり「次の予約はどうしますか?」
ひぇ~~次~?まだ頭の中は
時鳥でいっぱいいっぱいでございます
「あぐぐ、ああ、はい、またあらためて」と伝えて
いざ、またお隣の伝統芸能情報館へと走りました。
図書館も17時で閉まっちゃうから、あー忙しい忙しい。
もっと余裕を持って行くべきですね。

映像ライブラリーについて、ちょっと誤解していました。
6畳ほどの広さの防音部屋は、一室だけ。
あとはブースが並んでいてヘッドフォンで閲覧するのだそうです。
でも、やっぱりブースより、あの部屋がクセになりそう~。
次の予約をしなくっちゃあ。
今度は、白縫姫狙いで、行ってみます



玉さんライブラリーに、行ってきました。

勝手に「玉さんライブラリー」なんて命名していますが、
国立劇場大劇場の3階にある映像ライブラリーと
すぐ迎えの別棟「伝統芸能情報館」の2階にある図書館のことです。

玉さん17歳の時鳥が、どーしても見たくなって
まずは、映像ライブラリーに予約を入れました。(要予約なので)

「あのー、昭和42年の御所五郎蔵が見たいのですが」
「えーっと、何月ですか」
「えーうーあのー、玉三郎さんが時鳥の、、(恥ずかしくて小声になる)」
「少々お待ちください、、あ、はい、わかりました」
「午後3時半から予約お願いします、あ、でも
 ちょっと遅れるかもしれません」
「午後3時半から、課金が発生しますからお気をつけください」
うぉおう、さすが国立様、言うことがシビアです。しかも話し言葉が、お役所的文章。

「はははい、では15時半に参るようにいたします」

そして、今日15時に国立劇場に着いたので、先に、
別棟の図書館の方へ行くことにしました。

すると、そこには、玉さまファンはもちろん歌舞伎ファン垂涎の資料が
どどどどどどっさ~り。(よだれよだれ)

わあ、どれから見ようかなり焦っている私。
なんせ、15時半には映像ライブラリーでの
「課金」が始まるのですから。

すると、図書館の方がとても親切にご案内くださり
「あっちには、国立劇場のプログラムもすべてそろっています」
「え~そうなんですかあ」とさっそく
「可愛い女形」が注の昭和42年3月に上演された桜姫東文章の
パンフレットを見てみることにしました。

すると、二ページ目くらいにパッと目に飛び込んだのは
「自宅で録音機を囲み、役の研究」というキャプションがついた
玉さん、勘弥さん、志うかさんの写真です。

玉さん、若い~っつうか少年~~~。
でも大人びた聡明な顔つきで黒のストライプのスーツ姿です。
胸ポケットにはチーフも。いい顔してます。

そして、注のコメントを見てみると
「可愛い女形」どころか長々と書かれてありました。

「今の勘弥の幼い日の芸名です。由緒あるこの名を継いだというだけで
若い玉三郎の有望な材幹の証明にはならないでしょうか。
可愛い女形と誰からも愛されている玉三郎が
巧いとか良いとか言われるのにはまだまだ時間がかかるとしても
その日のきっとやってくることだけは太鼓判が押せます。
女形一筋に進むけなげさ。さらに若衆侍にも意欲を燃やしている
凛々しい好青年です」
とありました~。

その日は来てます来てます来てますよ~、ふむふむ
と感慨深く読みつつも、

頭の中には
「課金、課金、カッキーーーン」
の二文字がぐるぐる回っています
もう15時半まで2分くらいしかないので、
またあとで来ます、と言い残して、
あわてて、国立劇場3階の映像ライブラリーに
かけこみました。

部屋の扉を開けると、お役所的ではまったくない
可愛らしいお嬢様たちが笑顔で迎えてくださり
ちゃんとビデオも準備してあり手渡してくださいました。
そして、六畳ほどの広さの防音の部屋に通されました。
42インチくらいのテレビがデンと置いてあり
椅子とテーブルがあり、さあ、どうぞ、とそこに座らせていただきました。
そしてお嬢様は、じゃあ、ごゆっくり~って感じで
部屋から出ていかれました。

クーラーもきいて快適な部屋をひとり独占状態で、
とうとう、あの17歳の時鳥にご対面したのであります!

あまりに恐ろしいなぶり殺しの様子に唖然呆然

この驚きは、またじっくりとしたためたいと思います。
プロフィール

桔梗

Author:桔梗
坂東玉三郎さんの 芝居に舞踊に歌唱に舞台演出に 映画監督に朗読に執筆に 歩く姿も潜る姿も後ろ姿も素ッピンも☆☆ すべてに魂を揺さぶられ〜~ 玉さんブラヴォ----ッッッっ!なエブリデイ!

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