刈谷市トークショー熱々レポ by Aさま

18日に愛知県刈谷市で行われた玉三郎さんのトークショーに参加された
Aさまが、たっぷりと熱々レポを送ってくださいました。
私は、行けなかったので、玉三郎さんのお話を読ませていただいて
とても貴重なお話がいっぱいで時差で感動しております。うぉーん。
本当にどうもありがとうございます。
こちらにご紹介させていただきます。



酷暑の中、行って参りました。
最前列真ん真ん中。
手を延ばせば届きそうなほど玉さまに近かったです。

玉三郎さんは白のシャツ、白のゆったりしたズボン、白のソックス、
紺と白のギンガムチェックのジャケット(袖口のボタンが右が紺、左が赤でカワイイ)、
銀色に紺のライン2本のスニーカーでした。

まずは刈谷市(トヨタ関連のお膝元)ということで、
「ぼくは2台車を持っていますが、2台ともトヨタです。」と。拍手が起こりました。
次いで生い立ち。実のお父様お母様のところから、6歳で部屋子になり
(部屋子として弟子入りできたのは運が良かったとおっしゃってました)、その6年後、
養子になった話に。 「中高時代は人間的な先生に巡り逢え、
「楡原君、まだ休んでも欠席日数は大丈夫だよ」と応援してくれた。」

25歳で道成寺初演。その後何度も踊ったが、「大曲なので、疲れてホテルでは、
はってました。」「袖に引っ込んでるときは、(着替えで)荷造り状態。でも疲れを見せず、
新しい踊りのように、しかもどんどん華やかに踊っていくんです。」
「曲が終わって鐘から降りてからは、本当は倒れ込みたいけれど、演奏の方々が
まだ舞台上にいるので、シャンとしてます(笑)。」

「鷺娘も引き抜きが崩れるので、幕が開く前はバタバタしてはいけないが、
メトロポリタン歌劇場のときは、会場があまりにも広くて(真四角の舞台の奥に、
同じ広さのスペースがあり、周りに通路がある)、カートで運んでほしいくらいだった(笑)。
姫路城で鷺娘をやったときはカートで運んでもらったんです(笑)。
メトロポリタンでは、100年祭でスタッフもダークスーツにネクタイ姿で、
スタンバイのとき膝が震えました(笑)。」
膝が震えたのはこの時だけだとおっしゃったと思います。

写真スライドショーもありました。

シチリア、パリ、ロンドンの写真。「5月から6月に行った。イタリアへは
何度も行っているが、シチリアだけ行ってないので、今回はシチリアだけを目的に行った。
でも、日本から直行便がないので、パリとロンドンへも寄ったのです。
ゴッホのお墓やモネの池での着物姿は桔梗さんのブログにあった、新潟公演と同じかな?
「ゴッホのことは実はずっと好きではなく、理解しがたい絵だと、誤解してたんです。
でも何年か前、閉館後のオルセー美術館に入れていただいて、ゴッホが亡くなる
1年前の絵(←風景画っておっしゃったと思う。タイトル、メモできませんでした)を見て、
人生が表現されていて素晴らしいと気づいたと。」
(このあたりの表現も記憶があいまいでごめんなさい)。

ゴッホと弟さんが隣同士に並んだお墓の写真の説明のとき、弟さんが献身的に極貧の
ゴッホを支えていたこと、ゴッホの死後わずか1年で後を追うように若くして亡くなったことを
話され、兄弟のつながりに感動するというようなことをおっしゃり、少し声が震え、
このまま玉さん泣くのではないかと感じてしまいました。

今回着ていたギンガムチェックのジャケットや銀色のスニーカーを着ている写真もあって、
「あ、今日の服と一緒ですね(笑)。でも普段はこん派手な服はぜーったい
(力込めてた(笑))着ませんっ!でも、これもイタリア製です。
(だから派手だけど着てるってことかな?)
赤い小花がちりばめられたシャツブラウスの写真のときも「撮影用ですっ!」と。
(とても良くお似合いなのに)

ロンドンの小さな劇場で観劇してる写真が何枚かあり、ロンドンの演劇文化の深さを
羨ましそうにしていました。 「ごく普通の老若男女が気軽に劇場に足を運んでいるんですよ。
日本もこうなってほしい。」と。

質問コーナーは、開演前に質問用紙で募り、箱の中に玉さんが手を入れて引き、
梅川さんが要約して質問する、という形式でした。

Q:勘三郎さんとの思い出は?

「鷺娘最後の日、幕が降りてからぼくが演奏の方々に会釈したら、
あの人(勘三郎さん)それを覗き見してたんですよ~(笑)。」

「勘九郎君と七之助君がまだ小さかった頃にみんな楽屋にいて、ぼくが勘三郎さんに
化粧のアドバイスをしても、彼、返事もしない。子どもたちがいなくなったら、勘三郎さんが
「兄さん、子どもたちの前で注意しないでよー。」って言うの。勘三郎さんってそういうところが
(子どもの前で威厳を保とうとする)あったのよ(笑)。」
と、懐かしそうに話してました。

Q:道成寺など踊り納めた演目についてどのような気持ちか。
また、最後に踊っているときの心境は?

「芸術上の満足ではなく(この世界に入ったときは大曲を
踊らせてもらえるとは思ってなかったので)、望んだ以上の舞台が与えられたという満足がある。」

「踊る前に今日が最後と決めているのではなく、踊った後に「あ、もう踊れないな…」と
(体の感覚で)感じたらそれが最後と決めている。だから、踊っている最中に「最後」という
感慨があまりない、というのが本心です。」

Q:衣装はどれくらいもつのか?

「ひもや帯を締める着物は1公演(25日間)しかもたない。
(この数字はうろ覚え記憶です。2~3公演だったかも。)
打掛けは長くもつ。(1年と言ってたかな…?)製作には半年から一年かかる。」

Q:至福の時間は?

「気持ち良く昼寝するとき。ぼくは眠りが浅いので昼寝が至福。
昼寝をするとパッと思考が開く気がします。
あとは素晴らしい芝居や映画を観ること。

「かつての、タルコフスキー、ヴィスコンティ、フェリー二、デビットリーン、
「欲望という名の電車」、ビビアン・リーの「哀愁」など(←もっと名前を挙げてましたが、
メモ取れず)名作が生まれなくなってしまったので海外に観に行くのです。
名作はどんどん生まれていつでも見られると思っていたが、
生まれない時代になってしまった。」

Q:食事で気をつけていることは?

「自然農法のものを食べるようにしている。
『シリコンバレーの最強の食事』を読んでください。
カビは食べてはダメ。だからカビにになりそうな痛んだところは食べないで。」
(司会者から質問)「先生、ブルーチーズはカビですが…。」
(玉さん)「あ、あれはね、本にもかいてあるけど、伝統的に食べてきたものは大丈夫。
でもカビの部分だけをたくさん食べるのはダメ。」(会場笑)

「腸の表面が全てと言って良いほど大事。腸の表面が顔に出ます。
つまり腸がキレイなら顔がキレイになります。」(会場笑)

「「70過ぎたら雪崩のように人生が過ぎるから早く仕事をしなさい。」とヴィスコンティが
ジョージ・シュトレイルに言いました。」(玉三郎の心にとまっている言葉)

今後について、「まだ歌って行きます。演出もしていきます。(会場に向かって)
よろしいでしょうか?」と。会場は大きな拍手でした。玉さまも嬉しそうでした。
玉さまはと~ってもご機嫌なご様子であっと言う間の1時間半でした。
玉さまはず~っと喋りっ放しでした。 会場は笑いに包まれ、幸せな時間を過ごせました。



Aさんの描写に、玉三郎さんがお話されている時の笑顔が浮かんできました。

玉三郎さんが以前、オルセーにいらした翌月のコメントでゴッホの絵に感動されたことを
書いてくださって、その文章に感動したのを今も覚えています。
確か「ローヌ川の星月夜」をご覧になられていたと思います。
山形のトークショーの時もゴッホと弟さんとの逸話に、涙が出そうな感じで
お話をされていました。お二人のことを現地でいろいろと聞かれたのですね。

あと、道成寺の踊りのハードさがすごく伝わってきて、今さらながら手に汗を握りました。
いつも衣裳の重量などを聞いて何となく想像していましたが、とても考えているような
踊りのハードさではないのですね。可憐で軽やかで、とてもそうは見えないものですから、つい、
また踊って欲しいなぁ、なんて平気で言っちゃって。反省です。もしも私たちが衣裳や鬘を
体験させていただいたとしたら着て歩くことも、立っていることさえ、できないだろうな、
とリアルに実感しました。カートで運んでもらうというのも凄いお話ですね。

私も食事にはとても関心があるので 『シリコンバレーの最強の食事』を読んでみたいと思います。
腸の表面が顔そのもの、にはドキッです。怖いです。顔が腸に見えてきました(そういうことじゃない)。

何よりも嬉しいのは、これからも歌っていってくださる、とおっしゃったこと。
そして演出も!とても楽しみにしたいと思います。
Aさんのおかげで行った気分になれました、どうもありがとうございます。

私も、昨日、予期せぬ出来事に遭遇しまして
横浜高島屋で開催された玉三郎さんのトークショーに参加してきました。
玉三郎さんに会えて嬉しかったよ~(あたふた喜ぶ)。
また追って、お知らせしますね。

玉三郎さんトークショー@山形市

24日に山形市シーベルアリーナで開催されました
坂東玉三郎さんのトークショーに行って参りました。

会場の住所が「山形市蔵王」とありましたので
山深い町を想像して、行く前から、少々、ビビッておりました。
1ヵ月前に「かみのやま温泉駅」のレンタカーを予約して入念に準備。ところが…
レンタカー屋さんで「免許証と保険証を見せてください」と言われ、
お財布をゴソゴソ…いくら探しても、ない、ない、ない~
免許証がない~ない~ない~ない~ない~(山びこ)

オーマイガーッ。家に免許証を忘れてきました。ガーン。
「免許証がなくっちゃ…運転できませんね」「ですよねー」。
すごすごと駅に戻ったらタクシーがいたので何とか無事に辿り着きました。

会場の入り口まで階段を昇って、振り返ったら玉三郎さんが(笑)。空が広い!

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玉三郎さんは、白いシャツに濃紺のネクタイ、ユーミンの仕事場にいらした時の
薄いグレーのジャケット、そしてチャコールグレーのズボンと、キラキラじゃない
柔らかそうな革のひも靴で颯爽と登場されました。シュッとした笑顔でね。
今回も梅川さんが司会でいらっしゃいましたが、
玉三郎さんが「聞かれる前に話しちゃいます」とどんどんお話を進められたのが
とても愉快で。お話の内容は多岐に渡りました。
山形との繋がりから照明のお話、井上ひさしさんのこと、ご自分の歌舞伎の演目で
印象に残っているもの、この6月に旅をされたイタリア、ロンドン、パリスでの出来事、
プライベートの至福のときなどなど、1時間たっぷり、お話をしてくださいました。
最後の30分は質問コーナーで、「山形市から来ました!」という皆さんの質問に
玉三郎さんはじっくり耳を傾けて、丁寧にわかりやすく、なおかつユーモアたっぷりに
お答えになりました。山形市にいるのに、山形市から来ました、と皆さんおっしゃるので
ちょっと不思議でした。質問したかったです。合併したんでしょうかね。

玉三郎さんは子供の頃から歌舞伎座の照明室に入りびたるほど照明がお好きだったそうで、
その頃から尊敬していらした照明家の方が山形のご出身だったのだそうです。

照明のお話で印象的だったのは、戦前と戦後の照明の違いについて。
昔は時間と共に移ろっていく光のあたり方をわかっている人たちが照明をつくっていたので
暗くなるまでの明かりや暗くなってからの闇が舞台や映画の照明にもちゃんと生きていた。
いまはピンク、やオレンジやカラフルな色を足していく照明で、闇を知らない。
尊敬していらした新派の照明家の方のお話として、玉三郎さんが樋口一葉の
「十三夜」の舞台を演じられた時に、お月見のシーンで自分の後ろ側から月の光が
あてられて、自分の前に、日本髪の影が写ったときの情景をお話ししてくださったのです。
暗闇に月光、すすき、そして日本髪の影が写るそのシーンがふわ~っと
頭の中に浮かんでゾクッとしました。なんて情緒のある美しい光景でしょう。
「十三夜」を観たことはないのですけど、玉三郎さんのお役のその瞬間の情感
までもが伝わってくる、素敵なお話でした。舞台照明は観ている私たちの心を
動かすだけではなく、演じている役者さんの心にとても影響を与えるものなのだな、
ということをあらためて感じることのできるお話でハッとなりました。
玉三郎さんがその日本髪の影を見た時に、どんな風に気持ちが動いていったのかを
聞いてみたいと思いました。「伝心~照明バージョン」もやっていただきたいです。

あと「日本橋」を日生劇場でやられた時、これまでずっと演じることのなかった清葉の役を
玉三郎さんが演じた「公開しない清葉バージョンの収録」をしたのだとういことを
明かしてくださいました。心の中で、うわぁ~~~~!でした。
観れないけど観たい観たい~。家に帰っても、気になって気になって。観たいよ~!

山形出身の井上ひさしさんをお好きだとおっしゃって、杉村春子さんが演じられたもの
(タイトルは忘れましたが)を自分も演じてみたいとおっしゃっていました。
このお話も初めてです。井上ひさしさんの戯曲、ぜひ、やっていただきたいです。

旅のお話では、イタリアのシチリア島に行ってらしたそうで、遺跡まで歩くときに
傘をさしても照り返しがすごいので少し日焼けしました、とおっしゃっていました。
シチリアは素晴らしいところだったそうです。ぜひお写真を見せていただきたいですね。
私は、岩塩が好きで色々と試しましたが、シチリアの岩塩が最高だと思っています。
憧れの地です。関係ないですね。でも玉三郎さんがシチリアで岩塩を召し上ったか、
とても気になります(笑)。
ヨーロッパは今、日が沈むのが遅いので星を見ない旅だったのだそうです。
パリではゴッホのお墓やモネの池にいらした時のこと、ロンドンでは
ピーターパンの野外公演のことなどをお話ししてくださいました。

そうそうそう、「また仁左衛門さんとの共演はありますか?」の質問に、
「はい、あります」とお答えになられましたよ。うひょー。

今回、かみのやま温泉駅でバッタリお会いした玉さんファンの☆☆さんに
ご一緒していただいたおかげで、免許証を忘れたショックからも立ち直ることができました。
ずっと優しくしていただき、帰りには、さくらんぼのパフェまでごちそうになりまして
☆☆さん、本当にどうもありがとうございました!
このパフェの味、一生、忘れません。

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5月の講演会@信毎きらめき倶楽部

信濃毎日新聞主催の「信毎きらめき倶楽部」にて
玉三郎さんが5月に講演会をされるそうです!

パールさんに教えていただきました。
どうもありがとうございます

「信毎きらめき倶楽部」(女性対象)に入会された方限定のセミナーですね。
主には長野県と近隣の方が対象ということでしょうかね。通える範囲内。
長野新幹線の定期券、買っちゃいますか!ちょいとハードルが高いです。

信濃毎日新聞のサイトより、引用させていただきます。



2018年度講演会

「感性をみがく」をテーマに、著名人を講師として招き、年間4回、
講演会やトークショーを開催します。
会場は松本市深志のまつもと市民芸術館です。

第1回
4月18日(水) 13:30~15:00
歌手 財津 和夫 さん

第2回
5月10日(木) 13:30~15:00
歌舞伎俳優 坂東玉三郎 さん


第3回
7月2日(月) 13:30~15:00
女優 真琴 つばさ さん

第4回
10月15日(月) 13:30~15:00
美容家 君島 十和子 さん

「信毎きらめき倶楽部」会員募集

年会費(前納)
<個人会員>12,000円 <法人会員>14,000円
 ※税込み。運営費のため出欠に関係なく納めていただきます。

期間
2018年4月~2019年3月

対象
趣旨に賛同される女性(法人も可)

例会
年4回

2018年度はさらに特別なイベント(すべて有料)を会員限定でご用意します。



お申し込み方法などは、こちらにあります。
https://info.shinmai.co.jp/kirameki/

京都新聞トマト倶楽部主催のトークショーが宝ヶ池プリンスホテルで
2006年にあった時の参加条件は、京都新聞を購読している人でした。
私は京都新聞に電話をして、
「京都新聞を購読したいので新聞を送っていただけますか」と告げましたら、
「その日に新聞、読めないですよ、ねえ……(笑)」「そうです…ねえ…(笑)」。
結局、担当の方の太っ腹で参加させていただけることになりました。
今もその方のお名前は忘れません。その時はあの寺尾(さん)が司会でした。
だからって、信毎新聞に電話するってわけではございませんよ(笑)。

今年も、明治大学の講演会があるといいですね。
土屋学長の玉さんラブ語録を伺いたいです。

山野楽器のトークショーへ♪

昨日は、午後1時30分から銀座山野楽器で開催されました
玉三郎さんの「邂逅」CD発売記念トークショーへ行って参りました。

12時55分、整理番号順に山野楽器の階段に集合。
6階から4階くらいまでの階段に、一段に一名ずつ、約160名が並びました。
不思議な光景です。どっかの教団か?玉さん教ですね!
私は、心の中で、「せっかく、階段なんだから、みんなで遊ぼうよー、
じゃんけんぽん、はい、チーヨーコレーイトー(遊び古すぎ)」と唱えてました。

銀座山野楽器7階のイベントスペースJamSpotには初めて参りました。
ほどよい狭さのアットホームなスペース、和やかな雰囲気のなか、
日生劇場追悼公演から、「邂逅」、そしてコンサートなど今回の一連の
音楽プロデューサー・高橋まさひと氏の司会進行ではじまりました。

「今日は、あえて歌手・坂東玉三郎さんとお呼びします」とおっしゃって
歌手・玉三郎さんが前の扉から、呼ばれて飛び出てジャジャジャジャ―ン。
黒地にブルーグレイっぽいストライプ柄のスーツでご登場でした。
BGMは、もちろん「邂逅」♪お話の間もずっと流れていました。
ステージの上に、バーカウンター用みたいな安定感の悪い椅子(失礼)に
玉三郎さんは、そっと腰かけられて、何回か座る位置を調整されていましたが、
その都度、足の伸ばし方といい、腰の位置と言い、姿勢はもちろん
椅子の不安定さを微塵も感じさせない、美しい佇まいなのでした。

最初に、日生劇場の越路吹雪さんの追悼コンサートで「妻へ」を歌うことになるまでの
経緯をユーモアたっぷりにお話ししてくださいました。玉三郎さんは追悼コンサートに
呼んでいただいたものの、ずっと何をしていいかわからない状態だったそうです。
1月に歌舞伎座で共演していた幸四郎さんに何をするの?と聞いたら
「話をするんだよ」と。じゃ、一緒に出ましょうよ、と言ったら、玉三郎さんが出る日は
他の仕事で出られないんだよ、と、その時のお二人のやりとりを、玉三郎さんが
その口調のままお話しされて、それが愉快で(笑笑笑)。
結局、宝塚の植田 紳爾先生の「歌ってもろーた方がええわ」の鶴の一声で歌うことに
なったのだそうです。玉さん、おもしろい~。植田先生の関西弁、最高でした。
ほかの出演者の方々とぶつからない歌は、「妻へ」と「離婚」しかないな、となって、
追悼だから「妻へ」を選ばれたこと。そして、私は良心的なので(笑)、宝塚の皆さんとも
一緒に舞台に立てたら、と、「すみれの花咲く頃」を自ら希望して歌われたそうです。
私はあの時、玉三郎さんの歌い出しを聞いて、「すみれの花咲く頃」って、
こんなにいい歌だったんだ、って唸りました。とても柔らかくて、明るくて。
ペギー葉山さんと一緒に歌われた思い出も。玉三郎さんは、越路さんもペギーさんも、
華やかに活躍されてパッと去ってしまわれて寂しいけれども舞台人としては
そういう生き方もいいのではないかとおっしゃられました。私もそう思います。

そのコンサートが評判を呼んで、今回、CDを制作させていただきたいと
お願いしました、と高橋さん。追悼公演から、トントンと話が進んでいったのですね。
それも凄いことだな、と思いました。さすが玉三郎さんです。話しが早い。
高橋さんが、玉三郎さんのCDの選曲が、わりと地味だった、と笑いながらおっしゃり、
玉三郎さんは「じゃ、次回は、ヒット曲ばかりで宣伝しなくても売れるやつでね(笑)」と
お正月のNHKの特別番組「坂東玉三郎が愛した女」の中でも、
「夢の中に君がいる」と「愛の讃歌」と「ラストワルツ」を歌われたそうですが、
ヒットソングを歌うのはきまりが悪くてね、ここで「知らざぁ言って聞かせやしょう」と
言えって言われてるみたいで(笑)とおっしゃっていました。
私は、今回の「邂逅」に収められた歌が本当にどれもこれも素晴らしくて、
シャンソンってこんなに彩り豊かなものなんだなと新鮮に感じていたので
まるで地味とは思っていなかったのです。でも、そういう意味では、
玉三郎さんが地味な歌を選んでくださって良かった!と思いました。
そして玉三郎さんがヒット曲を歌うと、耳慣れた曲がこんなにいい曲だったんだ、という
発見があるので、「あのヒット曲をいまいちどちゃんと聞き返してみようよシリーズ」として、
次回は、ぜひ、派手なヒット曲のCDも出していただきたいと思います。

今回のCDは15人のオーケストラで、同録などもして、とても贅沢に作られたそうです。
玉三郎さんはナットキングコールや、トニーベネットがお好きなので50年代のやり方で。
その時代のゴージャスなサウンドに近づけて、電子楽器は一切使っていないそうです。
素晴らしいです。そういう点にもこだわられてこその、あの聞き心地のよさなのですね。

玉三郎さんの歌唱法は、第三者が二人の恋愛模様を見つめているように、
ちょっと引いて歌っていますね、と高橋さんがおっしゃると玉三郎さんが、
女の歌を男が歌うのはとても難しい、とおっしゃいました。
恋心が直接的になると嫌らしくなってベタベタしてしまう。
越路さんも男役だったから女を離して歌われてベタベタしなかったのではないか、と。
そして、玉三郎さんが、とても熱心にいろいろな歌手の方たちの歌い方について勉強されている
ことも。ナットキングコールやトニーベネットは歌う前のブレスの時に、
すでに景色が見えてから歌っているということ。枯れ葉よ~♪と実際に歌を口ずさみながら、
その前にすでに景色が見えている。リメンバー♪の前に、リメンバ~が見えている、と。
ラリラリラ~♪と、その歌声がまたよくて。トニーベネットの「いそしぎ」や
ナットキングコールの「アンフォーゲッタブル」、「フォーリンラブ」などをユーチューブで
見るとわかる。ぜひ、見てみてください、素晴らしい歌手たちです、とおっしゃいました。
教えていただいて得した気分です。うわぁ~い、見てみようっと。
すると高橋さんが、「アコーディオン弾き」の玉三郎さんの最後のやめて、やめて、
も素晴らしい、とおっしゃって、普通は、叫んでしまうところを静かに呟かれる、と。
私も、ほんとうに毎回、聞くたびに、あのラストに心をつかまれます。

高橋さんが「楊貴妃」をご覧になられて、玉三郎さんは、毎回、生バンドで
踊られているんだ、と思ったということを話されると、
玉三郎さんが、毎日、生演奏は変化がある。そして、テンツツツン、って
足踏みをしながら、テンポをやってくださったんです。
その日の足踏みのテンポに合わせて、演奏家の皆さんが察してついてきていること。
歌うことについても、いつも歌舞伎は生音が基本だから、劇場の返りの音で、
自分で音を決めているそうです。このお話も目からウロコでした。
返りが大きいと、自分で音を小さくするクセがあるそうです。
返ってきた音を無視できない、とおっしゃったのがとっても印象的でした。

歌うということに関して、30分の間に、こんなにも中身の濃いお話を
聞かせていただけて本望でした。もうもう、「邂逅」何枚も買います。うほほ。
最後に、高橋さんが、岩谷時子さんが書かれた「愛と哀しみのルフラン」の
玉三郎さんのあとがきの「人生は出逢いと喜びのルフランだ」、という文章を読んで、
これほどまでに越路さんと岩谷さんのことを愛して、理解されている人はいないと思って
コンサートの出演を依頼されたことをお話しされて、いいお話だな、と思いました。
高橋さんは学生時代にそのあとがきを読んで何回も涙されたそうです。
もう37年前のお話ということですよね。
私も、「愛と哀しみのルフラン」の玉三郎さんのあとがきを読みました。
そして最後の2行に泣きました。先ほど読み返して、また涙が出ました。

そして、高橋さんが結びに、来年のコンサートは、
まさに出逢いと喜びのルフランです、と。
そうしたさまざまな出逢いが今に繋がっている、まさに「邂逅」ですね。
玉三郎さんが退場される時、私は心がぽかぽかして頬が紅潮していました。
素敵なトークショーをどうもありがとうございました。

そして、昨日、ひょんなところでも出逢いがありました。
階段で並んでいた時、すぐ後ろにいらした方に「桔梗さんですか」と声をかけて
いただきました。その節は、どうもありがとうございました。
そして、化粧室では、すみれさんに声をかけていただきました。
どうもありがとうございました。お二人と、少しでしたが、お話させていただけて
大変嬉しかったです。これからも、どうぞよろしくお願いいたします。

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自分の欠点を見つめること@明治大学講演会

質問コーナーでは、玉三郎さんに
自分の悩みを相談されている学生さんもいらっしゃいました。

ある男子学生の方は

「他人と話す時に、自分が優れているところを探して、
 いつも上から目線で話してしまう。それを直すには、
 どうすればいいでしょうか。」

玉三郎さんは、「素晴らしい質問ですね~。」と。
少し考えて、「自分が他人より劣っているところを見つめること。
そこに魂を没入して、そこの窓から(この表現が素敵で忘れられません)
他人と話してみたらいいんじゃない?その欠点はあえて他人に言う必要はない。
そしてそれは演じるということにもつながります。
役者は自分のいい所だけ見て演じたら、鼻もちならないものになる。
自分の欠点をイヤってほど見つめて(ここでテーブルの上にあった
マイクを置くシートを目の真ん前にくっつけるしぐさをされて(場内沸))、
そこで見えてくるもの、それを補えることを考えて演じないといけない。
自分が上だと思ったら、他人とコミュニケーションは取れないし、
他人と会う必要もない。自分が劣っていることと、自分が相手に話してあげられること
その両方があって、人とのふれあいが生まれてくる。
他人と対話しなくては、ひとと会ったことにはならないと思います。」
とお答えくださいました。そして、
「今日も、こんな風に紗の着物を着ているけれども
見せびらかすつもりはなくて、欠点を隠しているんです。」
と、おっしゃいました。人間ぽくっていいなぁ。

上から目線で話しをするのは、その学生さんだけの問題ではなくて
誰の心の中にも存在している人間の性のようなものかもしれませんね。
役者が演じるということにつなげて解答してくださったところも、
さすがだなぁ、と思いました。

初回の明治大学の講演会を聞いた時にも感じたことなのですが
玉三郎さんは、自分の欠点から目をそむけずに、そこで生まれる
劣等感や苦しみ、悲しみ、寂しさ、人にとって恥ずかしい感情や
虚しい感情などから逃げないで、まっすぐに向き合って、深く受け止めて、
それを乗り越えた後も、その感情を忘れることなく、いつまでも胸に刻み込んで
いらっしゃるから、あんなに素晴らしい演技や舞踊が生まれてくるのだな、と。
だから、観ていて、涙が出たり、心が震えたり、励まされたり
心動かされるのだな、と、今回もあらためて感じ入りました。
玉三郎さんと負の感情。人間が生きていく上で見つめておきたいこと。
明治大学の講演会では、玉三郎さんの演技の謎が少しずつ紐解かれていく
そんな発見と快感があります。

「やっぱりワンマンじゃ生きていけないわ。」
と、ピーマンも、深くうなずいております。

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プロフィール

桔梗

Author:桔梗
坂東玉三郎さんの 芝居に舞踊に歌唱に舞台演出に 映画監督に朗読に執筆に 歩く姿も潜る姿も後ろ姿も素ッピンも☆☆ すべてに魂を揺さぶられ〜~ 玉さんブラヴォ----ッッッっ!なエブリデイ!

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